6.健康と休養
健康を維持するためには、体を動かすだけでなく、休養も必要です。日本生活習慣病予防協会の池田義雄理事長に聞きました。休養といっても、どうすればよいのでしょう
「やはり睡眠が大切です。今年3月に『健康づくりのための睡眠指針』、快適な睡眠のための7箇条が策定されました。(1)快適な睡眠でいきいき健康生活(2)日中の元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター(3)快適な睡眠は自ら創り出す(4)眠る前に自分なりのリラックス法(5)目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン(6)午後の眠気をやりすごす(7)睡眠障害は専門家に相談の7つです」
ポイントはどれですか
「(1)の快適な睡眠は疲労回復やストレス解消になりますが、寝不足や睡眠障害は高血
圧、心臓病、脳卒中など生活習慣病のリスクを上げます。(3)は睡眠剤や寝酒に頼らず、自然に眠ろうということ。例えば、温めた牛乳を飲むと睡眠誘発物質トリプトファンが自然な眠りを促し、レムとノンレムの睡眠パターンを繰り返す、いわゆる質の良い睡眠がとれ、休養効果があります。逆に睡眠剤や寝酒は睡眠の質が悪くなり、カフェインも寝付きが悪くなることがあるので、気をつけましょう」
睡眠のほかに、休養のとり方はありますか
「ストレスの解消ですね。特に“A型性格”の人は要注意。Aはaggressive(攻撃的、積極的の意)の頭文字で、何事にも突き進み、競争意識や責任感が強く、短気で完全主義な性格です。仕事のやりすぎや暴飲暴食などでストレスがたまり、高血圧や動脈硬化になりやすく、突然死につながることもあります。こうならないために、ストレス防止8箇条を守ってください。(1)独り暮らしは避ける(2)ハードスケジュールを避ける(3)生活の変化に気をつける(4)頭痛などの症状が現れたら、状況などを書き留めておく(5)毎日30分以上運動をする(6)物事はポジティブに解釈する(7)笑う(8)性生活を疎遠にしないです。また、2時間仕事をしたら10分休憩する『2時間10分法』も勧めます。仕事を忘れて楽しいことを思い浮かべ、気分転換しましょう」
食生活はどうですか
「腸管免疫系の働きを高め、ストレスに負けない体を作りましょう。バランスの良い食事はもちろん、食物繊維を重視し、ヨーグルト、オリゴ糖、納豆、野菜、海藻類などで腸内細菌を健全な状態に維持してください」
2003年05月 公開
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