14.2型糖尿病と生活習慣
糖尿病には2つのタイプがあり、日本人の場合は、ほとんどが生活習慣が誘因となる2型糖尿病です。その現状と予防法、日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄医学博士に聞きました。2型糖尿病はどんな人がなりやすいのですか
「まず、次のチェック項目で2型糖尿病の危険度を調べましょう。当てはまる点数を加算してください。(1)血縁者に糖尿病の人がいる=3点(2)血縁者に肥満、脳卒中、心臓病(狭心症、心筋梗塞)の人がいる=1点(3)20代前半よりも体重が10%以上増えている=2点(4)甘い物や脂肪分を好んで食べる=1点(5)車が足代わりで運動不足=1点(6)アルコールをよく飲む=1点(7)ストレスの多い生活をしている=1点。合計が6点以上の人は要注意。検査を受けましょう。3〜5点の人は、(3)―(6)の生活習慣を改善してください。(7)のストレスでもインスリンの働きが低下するので、気分転換も必要です。また、(1)と(2)は遺伝的な要素ですが、糖尿病になりやすい体質だけでなく、なりやすい食生活や生活習慣を受け継いでいるといえます」
中でも特に気をつけたいのはどれでしょうか
「一番の誘因は肥満ですね。食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足といった不適切な生活習慣の結果、余ったエネルギーが脂肪となって過剰に体内に蓄えられると肥満になります。すると、インスリンの働きが低下し、血液中の糖分が過剰になり、糖尿病になりやすくなるのです」
実際、糖尿病の人には肥満が多いのですか
「7―8割は、現在BMI(体重kg÷身長m÷身長)が25以上の肥満の状態にあるか、以前に太っていました。既往最大体重という、糖尿病と診断される以前に一番重かった体重をみると、どの人もBMIが25を超え、平均27以上にもなります。また、25未満でも、20代前半よりも体重が10%以上も増えているという人は、予備軍だといえますね」
肥満を防げばよいのですか
「患者さんの多くは20歳のBMIが平均22、適正体重でした。これが、加齢とともに太り出し、BMIが25を超え、27にもなると、糖尿病の危険率が2倍になることが統計的にわかっています。理想は適正体重に戻すことですが、無理ならばせめて、27を25にと、2ポイントでも減らすようにしてください」
2003年07月 公開
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