一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
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おいしく食べる 楽しくはかる 生活習慣病講座

33.虚血性心疾患と生活習慣

 虚血性心疾患の予防には、日ごろの生活習慣が重要です。そのポイントについて、国立循環器病センターの宮武邦夫副院長に聞きました。
虚血性心疾患を予防するにはどうしたらよいですか
 「(1)食べ過ぎず、肥満に注意する(2)薄味を心がけ、塩分の取り過ぎに気をつける(3)バランスのよい食事をし、糖分、脂肪分のとり過ぎを避ける(4)喫煙、大量飲酒をやめる(5)適切な運動を心がける(6)寝不足、過労を避け、規則正しい生活を送る(7)焦らず、怒らず、あわてず、ゆとりを持って生活する(8)家族に心筋梗塞にかかった人がいれば、特に生活習慣に注意する(9)高血圧、糖尿病、高コレステロール血症の早期発見のため、定期検診を受ける(10)運動時に胸部圧迫などの異常を感じたら、すぐ病院に行く。以上の10項目を守ることが大切です」
(5)の運動も予防につながるということですが…
 「軽い運動が狭心症や心筋梗塞の予防となります。毎日運動している人は、全く運動していない人よりも、交感神経系ホルモンのカテコールアミンの分泌が少なく、心臓への負担が軽いのです。また、運動していない人が急に動くと、酸素を取り込む効率が悪いので、カテコールアミンが分泌され、心臓に負担がかかります。ジョギング、水泳、ウォーキングなどを30分以上、週3〜4回程度することをお勧めします。逆に、腕立て、短距離走など瞬発力が必要なものは、血圧を上げるので、気をつけたほうががよいですね」
(6)と(7)について具体的に教えてください
 「まず(6)ですが、生活のリズムが狂うと発作を起こしやすいので、規則正しい生活が大切ということです。(7)はストレスと関係があります。責任の重い仕事や心配事、突発的な事故や天災など、さまざまなストレスを受けると、カテコールアミンが増え、血圧が上昇して、動脈硬化が進み、心筋梗塞の引き金となります。また、真面目で責任感が強く、完全主義な“A型性格”の人は、心筋梗塞になりやすいので、日ごろから気分転換を図るとよいですね」
最後に予防法のまとめをお願いします
 「虚血性心疾患のリスクを下げるには、生活習慣に気をつけ、高血圧、高脂血症、喫煙の三大危険因子を減らすこと。そして、発作が起きたら、一刻も早く病院へ行くことを忘れないでください」

2003年12月 公開

※記事内容、肩書、所属等は公開当時のものです。ご留意ください。

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