日本生活習慣病予防協会 JPALD
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おいしく食べる 楽しくはかる 生活習慣病講座

47.動脈硬化との関係

 “痛風予備軍”の高尿酸血症は数百万人。尿酸値が高いと、痛風になるだけでなく、動脈硬化の危険因子にもなります。予防の重要性について、東京慈恵会医科大学の細谷龍男教授に聞きました。
まず、尿酸値と痛風との関係を教えてください
 「尿酸値が高いまま5〜10年も放っておくと、痛風になります。尿酸はもともと溶けにくい物質なので、体内に尿酸が増え過ぎて溶けきらなくなると、いろいろな所に沈着します。最も多いのが足の親指の関節で、ある日突然、真っ赤にはれあがり、七転八倒するような激しい痛みが一週間ほど続きます。これが急性痛風関節炎、俗に“風が吹いても痛い”といわれる痛風発作です」
ほかにはどんな症状がありますか
 「尿酸が関節だけでなく、皮下にたまり、こぶ状になったものが痛風結節です。関節炎とは違って痛みも炎症もないので、気づかないうちに大きくなることもあります。また、尿中で固まると尿路結石に。さらに、尿酸が沈着しやすい腎臓では、腎障害を起こし、腎機能が低下して、腎不全、尿毒症に進み、死に至ることもあるので、注意が必要です」
高尿酸血症になると、これらの症状が出るのですか
 「高尿酸血症だからといって、すぐに痛風関節炎や結節になるわけではありません。むしろ、尿酸値は高いけれど、まだ何の症状も出ていない『無症候性高尿酸血症』の人たちの方が多いのです。このいわゆる予備軍のうちに、食生活などの生活習慣を改善したり、早期治療して、痛風や尿路結石、腎障害を予防することが重要なのです」
動脈硬化の危険因子にもなるようですね
 「高尿酸血症の人は、過食、運動不足、肥満の傾向にあり、高脂血症、高血圧、糖尿病などを合併します。これらは、それ自体では死に至りませんが、お互いが密接な関係で発症し、動脈硬化を促進して虚血性心疾患などを起こすので、シンドロームXと呼ばれています。今まで高尿酸血症は、これらを合併して動脈硬化を促進すると思われていましたが、最近、尿酸値が高いこと自体が動脈硬化の危険因子になるとわかり、シンドロームXの一つに加えようと考えられています。ですから、尿酸値をあげないようにすることが大切で、その予防法について、次回お話しましょう」

2004年03月 公開

※記事内容、肩書、所属等は公開当時のものです。ご留意ください。

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