CKD(慢性腎臓病)
どんな病気?
慢性腎臓病とは、腎機能の低下があるか、もしくは腎臓の障害がある病気。英語表記の頭文字をとって「CDK」(Chronic Kidney Disease)とも呼ばれます。
CKDになり何年もたち腎機能が極端に低下してくると、尿毒症の症状(例えば、貧血、頭痛、吐き気、めまい、しびれ、視力低下、不整脈、意識障害など)や足のむくみが現れてきます。このような症状が現れた場合、命を守るために早急に透析治療を行わなければいけません。しかも透析療法が必要なほど腎機能が低下してしまってからでは、腎機能を元に戻すことはできません。
大切なことは、CKDは、透析治療が必要になるほど進行する直前まで、ほぼ自覚症状に現れないということです。そのため腎機能の検査で異常が発見されたら、自覚症状がなくても治療を継続してください。早い段階のCKDであれば、治療によって腎機能が改善することも少なくありません。
また、CKDでは腎機能の低下とは別の懸念もあります。それはCKDの進行に伴い心臓や脳の血管の病気が増えるということです。実際のところ、透析治療が必要なるよりも先に、心筋梗塞や脳卒中などのために亡くなる患者さんが少なくありません。それを防ぐためにも、CKDの早期治療が大切です。
数字で見るCKD
- 患者数は、1,330万人1)
- 透析患者数は、33万4,505人 1) 「CKD診療ガイド2012」(日本腎臓学会)
CKDの予防と治療
CKDは腎機能が慢性的に低下した状態を指す病名で、原因を問いません。ただ、実際には、腎臓そのものに起こる病気(糸球体腎炎など)よりも、糖尿病に伴うCKDのほうが多いことが今、問題になっています。
糖尿病に伴うCKDの予防する方法は、糖尿病そのものをきちんと治療することです。つまり、血糖値をしっかりコントロールすることです。また、CKDの進行には高血圧も強くかかわっていますので、血圧のコントロールも大切です。血糖や血圧のコントロールはCKDの‘予防’だけでなく、当然、‘治療’においても重要です。また、血圧のコントロールは糖尿病以外の原因によるCKDでも重要で、CKD治療の柱の一つと言えます。
具体的な血圧コントロールの目標(診察室血圧)は、糖尿病の患者さん、および、糖尿病以外の原因によるCKDで蛋白尿が陽性の患者さんは、収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧80mmHg未満です。糖尿病以外の原因によるCKDで蛋白尿が陰性の場合は、同順に140/90mmHg未満です。家庭血圧はそれぞれ5mmHg低い値を目標にします。
CKDでは、血圧のコントロール以外に、病気の状態に応じて、蛋白質の摂取量を抑える食事療法や、抗炎症薬、抗血小板薬などによる治療により、腎機能の低下を抑制します。
関連する生活習慣病
★の数が多いほど関連が強いことを意味します。
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★★★
- 高血圧はCKDの原因になりやすく、かつ、CKDのために高血圧になりやすくなります。
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★★☆
- これらの病気はCKDの患者さんが併発しやすく、寿命を左右したり身体障害を招いたりする重大な病気です。
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★★☆
- これらの病気はCKDの原因になりやすい病気です。
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★☆☆
- 脂質異常症はCKDの患者さんが併発しやすい病気です。
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2015年12月 公開
2019年11月 更新