CKD(慢性腎臓病)
どんな病気?
慢性腎臓病とは、腎機能の低下があるか、もしくは腎臓の障害がある病気。英語表記の頭文字をとって「CDK」(Chronic Kidney Disease)とも呼ばれます。
CKDになり何年もたち腎機能が極端に低下してくると、尿毒症の症状(例えば、貧血、頭痛、吐き気、めまい、しびれ、視力低下、不整脈、意識障害など)や足のむくみが現れてきます。このような症状が現れた場合、命を守るために早急に透析治療を行わなければいけません。しかも透析療法が必要なほど腎機能が低下してしまってからでは、腎機能を元に戻すことはできません。
大切なことは、CKDは、透析治療が必要になるほど進行する直前まで、ほぼ自覚症状に現れないということです。そのため腎機能の検査で異常が発見されたら、自覚症状がなくても治療を継続してください。早い段階のCKDであれば、治療によって腎機能が改善することも少なくありません。
また、CKDでは腎機能の低下とは別の懸念もあります。それはCKDの進行に伴い心臓や脳の血管の病気が増えるということです。実際のところ、透析治療が必要なるよりも先に、心筋梗塞や脳卒中などのために亡くなる患者さんが少なくありません。それを防ぐためにも、CKDの早期治療が大切です。
●発見・診断の検査検査項目 | 解説 | |
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スクリーニング | 血液検査(血清クレアチニン値から算出されるeGFR)、尿蛋白など | 医療機関、健康診断で実施 |
詳しい検査 | 原因の探索。病状を増悪させる疾患の有無 | 慢性腎臓病を引き起こす原因疾患の同定(腎炎などの一次性腎疾患,多発性囊胞腎,ループス腎炎など)検査としては尿アルブミン測定腎動脈超音波検査など 高血圧、糖尿病、脂質異常など |
詳しい検査は内科で行うことができます。そのほか、定期健康診断(職域)、特定健康診査、人間ドックでも行われます。
数字で見るCKD
*「CKD診療ガイドライン2023」日大医誌,82(6):319-324 (2023)
糖尿病性腎症(39.5%)