疲労・休養不足
休養をしっかりとる
休養をしっかりとるには、標準的には6〜8時間の睡眠が必要です。快適と感じる睡眠時間は個人差があるので、日中のあなたの活動量に応じた適正な睡眠時間をとるよう心がけましょう。
休養をしっかりとる、という意味では「睡眠」に限らず、仕事の合間に「休憩」する、月に6日以上は仕事をしない「休日」を作る、そして夏休みや年末などの「休暇」をとって心身ともにリフレッシュすることが大切です。
「休む」ことには、分単位の休憩、時間単位の睡眠、日単位の休日、週単位の休暇などがあります。休憩や睡眠では、主に心身の疲労を回復する「休む」、休日・休暇では人間性の涵養や社会・文化活動、創作活動などを通じて自己表現を図り「養う」ことができます。現代社会は精神的価値を重視する社会となって、よりいっそう「休養」が大切な環境になったと言えます。
なお、夜間の睡眠時間は25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間というように、成人してからは20年ごとに30分程度の割合で減少していくことが知られています。一方、夜間に寝床で過ごす時間は、20〜30歳代では7時間程度ですが、45歳以上で徐々に増加し、75歳では7.5時間に増えます。つまり、若い人は寝床にいる時間のほとんどが睡眠時間である一方、高齢者は睡眠以外に、眠っていなくてもからだを休めることに時間を使っていたり、寝付くまでの時間が長くなることを表しています。
休養不足が起こす病気や状態
休養が不足すると、当然、疲れが蓄積されて身体の不調が起きやすくなります。例えば、かぜなどの感染症にかかりやすくなるということもそうですし、感情調節力や建設的思考力が減退したり、記憶力が悪くなる、集中力が低下するといったことも起こります。それによって、仕事中のミスが増えたり交通事故の原因になることもあります。さらには不安・不安障害、抑うつ・うつ病、あるいはホルモン分泌の乱れからの肥満、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、過労死、眼精疲労なども、休養不足が関係しています。
眼精疲労とは、単なる「疲れ目」だけではなく、目を酷使した結果として、目や体に不調が現れている状態を指します。例えば、頭痛、肩こり、倦怠感、めまい、吐き気などです。スマホやパソコンを使うことが当たり前の現代社会では、眼精疲労による体調不良の影響がより深刻になっている可能性があります。
健康づくりのための睡眠ガイド2023
睡眠は、健康増進・維持に不可欠な休養活動であり、睡眠が悪化することで、さまざまな疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが指摘されています。また、必要な睡眠時間には個人差があるとともに、年代によっても変化する等の特性を踏まえた取組が必要となるため、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(厚生労働省)では、ライフステージごと(成人、こども、高齢者)に睡眠に関する推奨事項がまとめられています。
数字で見る睡眠障害
- 日本人成人の20.6%が慢性的な不眠
- 1日の睡眠時間が6時間の人は、男性 37.0%、女性39.9%。男性30〜50 歳代、女性40〜60 歳代で4割超
さらに詳しく
- 一無、二少、三多で生活習慣病を予防
- 休養・こころの健康(e-ヘルスネット、厚生労働省)
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)
- 睡眠障害について(国立精神・神経医療研究センター)
- 睡眠障害(e-ヘルスネット、厚生労働省)
2019年11月 公開
2024年09月 更新