日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
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おいしく食べる 楽しくはかる 生活習慣病講座

27.危険因子

 「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」、いわゆる脳卒中は、危険因子を抱えている人ほど起こりやすいといえます。発症との関係を、日本脳卒中協会の山口武典会長に聞きました。
何が危険因子ですか
 「第一に高血圧です。重症の状態が続くと脳出血を起こし、軽症だと細い動脈が詰まるラクナ梗塞や比較的大きな動脈が詰まるアテローム血栓性梗塞になります。また、くも膜下出血とも関係があり、先天的に脳動脈にあるこぶ(動脈瘤)が、高血圧で大きくなって破れ、脳の表面(くも膜下腔)に出血するのです」
ほかにもありますか
 「糖尿病です。健康な人の3倍以上も脳梗塞になりやすく、糖尿病予備軍でも同じだと考えられています。高血糖が続くと、動脈壁内に糖がしみ込んで動脈硬化が促進され、動脈が細くなるうえ、血小板の凝集作用が高まって血栓ができて詰まるのです。そして、高脂血症。中でも悪玉 LDL コレステロール値の高い人は、全身の動脈硬化を起こしやすく、アテローム血栓性梗塞を発症しやすくなります。心臓病もそうです。特に心房細動という不整脈があると、心臓内で血栓ができやすく、それがはがれて脳で詰まり、心原性脳塞栓症になります。また、高血圧、糖尿病、高脂血症は心房細動の原因となることがあります」
生活面で気を付けなければならないことを教えてください
 「高血圧、糖尿病、高脂血症はどれも生活習慣病なので、悪い生活習慣が影響を及ぼします。例えば、喫煙は血圧を上げ、ニコチンが動脈硬化を進めます。また一酸化炭素を吸い込むことで赤血球が増えて、血液がドロドロになります。大量飲酒は高血圧を起こしますから、1日に日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯までにしてください。また肥満も高血圧、糖尿病の原因なので要注意です」
では、脳卒中になりやすい人は?
 「60歳以上の男性で、家族に脳卒中の病歴があるという人が多いようです。また、危険因子が多いほど心臓血管病を発症しやすいこともわかっています。例えば、高血圧が1つ増えただけで約5倍、それに高脂血症が加わると21倍、さらに糖尿病、喫煙、心臓肥大で約70倍にもなるというデータがあります。危険因子を1つでも減らすことが大切ですね」

2003年10月 公開

※記事内容、肩書、所属等は公開当時のものです。ご留意ください。

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