2026年09月09日
酒類の販売量は10年前から約7%減 国税庁「酒のしおり」から見る日本のお酒事情
カテゴリー: 酒のしおり(国税庁) 飲酒
国税庁は毎年、酒税制度や酒類の製造・販売などに関する統計をまとめた「酒のしおり」を公表しています。令和8年7月版には、酒類の売上・販売数量から、20歳未満の者の飲酒防止、アルコール健康障害対策まで、幅広い情報が掲載されています。
今回は、主に令和6年・令和6年度のデータから、日本のお酒の売れ方の変化を見ていきます。
ビール、発泡酒、リキュールで国内売上の約6割
令和6年における酒類製造者等の国内売上金額は、3兆8,438億円でした。
内訳を見ると、ビールが1兆1,530億円で全体の約3割を占めています。これに、チューハイが大部分を占めるリキュール7,566億円、発泡酒4,578億円を合わせると、2兆3,674億円(61.59%)となります。
国税庁の「酒レポート」では、これらの低アルコール飲料が、国内売上全体の約6割を占めるとしています。
酒類の販売数量は10年前から約7%減少
令和6年度の酒類販売(消費)数量は、773万2,368kLでした。平成26年度の833万1,433kLと比べると92.8%の水準で、約7.2%減少しています。
国税庁は、少子高齢化や人口減少による人口動態の変化、消費者の低価格志向、ライフスタイルの変化、嗜好の多様化などを背景に、国内市場は全体として縮小傾向にあると説明しています。
酒類別では、清酒の販売数量が平成26年度比68.2%となり、31.8%減少しました。ビールも同89.8%となる一方、発泡酒は127.7%となるなど、総量の減少とともに、選ばれる酒類の構成も変化しています。
※国税庁「酒のしおり」の販売数量表には、沖縄県分が含まれていません。

出典:国税庁資料をもとに、当協会にて作成
酒類によって異なる地域の傾向
酒類別の成人1人当たり販売数量を見ると、上位の都道府県は次のようになっています。

出典:国税庁資料をもとに、当協会にて作成
清酒では新潟県や秋田県、焼酎では鹿児島県や宮崎県が上位となるなど、酒類による地域差も見られます。ただし、この統計だけから、酒造業の集積や食文化などとの因果関係まで判断することはできません。
酒税法では、リキュールは「酒類と糖類等を原料とした酒類で、エキス分が2度以上のもの」、スピリッツは「ほかの酒類区分に該当せず、エキス分が2度未満のもの」とされています。
販売量の減少と健康リスクは分けて考える
「酒のしおり」では、統計データだけでなく、20歳未満の者の飲酒防止やアルコール健康障害対策についても紹介されています。
令和8年3月27日には、「アルコール健康障害対策推進基本計画(第3期)」が閣議決定されました。第3期計画では、アルコール健康障害の発生予防や早期支援に加え、当事者とその家族・子どもなどへの支援も重点課題に掲げられています。
酒類全体の販売数量が減少しているからといって、不適切な飲酒や、それに伴う健康被害も同じように減少しているとは限りません。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、酒類の種類や容量だけでなく、含まれる純アルコール量に着目し、それぞれの状況に応じて飲酒量を判断することが大切だとしています。
統計からお酒の売れ方の変化を知るとともに、自分自身の飲酒量や飲み方を見直す機会にしてはいかがでしょうか。
参考資料
酒のしおり(令和8年7月)(国税庁)アルコール健康障害対策推進基本計画(第3期)(厚生労働省)
健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(厚生労働省)




