2026年07月29日
約4割が孤独感を経験 共食や相談相手の有無で大きな差 令和7年「孤独・孤立に関する全国調査」
カテゴリー: 孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(内閣府) 孤立・孤独
内閣府は2026年4月14日、「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)」として、「人々のつながりに関する基礎調査」の結果を公表しました。
本調査は、わが国における孤独・孤立の実態を把握し、関連する行政施策の基礎資料とすることを目的に実施されたものです。全国の満16歳以上の個人2万人を無作為に抽出し、郵送またはオンラインで回答を受け付けました。有効回答者数は11,873人、有効回答率は59.4%でした。
ここでは、孤独感に関する直接質問の結果を中心に、年齢や性別による違い、共食の状況、相談相手や配偶者の有無、心身の健康状態との関係を紹介します。
孤独感が「ある」人は37.7% 「しばしば・常に」は4.5%
「あなたはどの程度、孤独であると感じることがありますか」と尋ねたところ、「しばしばある・常にある」と回答した人の割合は4.5%でした。前年の4.3%から0.2ポイント上昇しています。
このほか、「時々ある」は13.7%、「たまにある」は19.5%でした。これらを合わせると、程度や頻度にかかわらず孤独感があると回答した人は37.7%となり、約4割を占めました。
一方、「ほとんどない」は41.6%、「決してない」は19.6%でした。前年と比べると、「時々ある」は15.4%から13.7%に低下し、「決してない」は18.4%から19.6%に上昇しています。
孤独の状況(直接質問)ー令和7年、6年、5年、4年、3年

出典:内閣府資料をもとに、当協会にて作成
強い孤独感は30~50歳代で高い 男性50歳・女性30歳代
年齢階級別に「しばしばある・常にある」と回答した人の割合をみると、30歳代が6.1%で最も高く、40歳代と50歳代はいずれも5.7%でした。内閣府は、30歳代から50歳代で割合が高いとしています。
そのほか、20歳代は5.5%、60歳代は4.0%、70歳代は2.5%、80歳以上は3.0%でした。
年齢階級別孤独感

出典:内閣府資料をもとに、当協会にて作成
男女別では、男性が5.3%、女性が3.7%で、男性のほうが高い結果となりました。男女・年齢階級別にみると、男性では50歳代が7.6%、女性では30歳代が5.7%で、それぞれ最も高くなっています。
男女・年齢階級別孤独感

出典:内閣府資料をもとに、当協会にて作成
共食が「ほとんどない」人の17.3%が強い孤独感
今回の調査では、家族や友人など、誰かと一緒に食事をする「共食」の状況と孤独感との関係も調べられました。
孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した人の割合は、共食を「ほとんど毎日」している人では2.7%でした。これに対し、共食が「ほとんどない」人では17.3%となり、両者の間には6倍以上の開きがみられました。
共食が「ほとんどない」人では、「時々ある」が22.3%、「たまにある」が21.2%でした。これらを合わせると、孤独感があると回答した人は60.8%に上っています。
共食の状況別孤独感

出典:内閣府資料をもとに、当協会にて作成
相談相手がいない人では23.4% 心身の健康状態とも関連
孤独感が「しばしばある・常にある」と回答した人の割合を主な属性別にみると、相談相手が「いる」人では2.5%だったのに対し、「いない」人では23.4%でした。相談相手がいない人では、いる人の約9.4倍となっています。
配偶者の有無別では、「配偶者あり」が2.4%だったのに対し、「未婚」は9.0%、「離別」は9.1%でした。未婚または離別の人では、配偶者がいる人の約3.8倍となっています。
心身の健康状態別にみると、「しばしばある・常にある」と回答した人は、健康状態が「よい」人では0.8%、「まあよい」人では2.0%、「ふつう」の人では2.4%でした。
一方、「あまりよくない」人では11.9%、「よくない」人では32.9%となっており、心身の健康状態がよくないと回答した人ほど、強い孤独感を抱えている割合が高い結果となりました。
孤独・孤立の予防にもつながる「多接」
これまでの研究では、社会的なつながりの乏しさや孤立が、ストレスの増大、心血管疾患リスクの上昇、寿命の短縮など、心身の健康に重大な影響を及ぼす可能性が指摘されています。また、困ったときに助けてくれる人がいると感じられることは、ストレスを抱えた際の健康状態に良い影響をもたらすと考えられています。
ストレスの有無にかかわらず、人とのつながりを持つことは、認知や感情に働きかけ、健康を支える要因の一つとなります。
日本生活習慣病予防協会が掲げる健康標語「一無、二少、三多」のうち、「多接」は、多くの人、事柄、物に接し、創造的な生活を送ることを意味します。仕事や趣味にやりがいを見つけること、家族との団らんや人との交流を楽しむことは、心身に良い刺激を与え、生きる活力にもつながります。
今回の調査でも、共食の機会がほとんどない人や、相談相手がいない人では、強い孤独感を抱えている割合が高い結果となりました。調査結果は因果関係を示すものではありませんが、誰かと食事を共にすることや、困ったときに相談できる関係を持つことなど、日常生活の中で人や社会との接点を保つ「多接」の重要性をあらためて示す結果といえます。
孤独や孤立を個人だけの問題と捉えるのではなく、家族や友人との交流、仕事や趣味、地域活動などを通じて、一人ひとりが自分に合った形で社会とのつながりを持てる環境を整えることも、健康づくりの大切な取り組みです。
参 考
孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年実施)(内閣府)孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)調査結果のポイント(内閣府)




