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糖尿病がある場合は、より低めの降圧目標を推奨 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン 2000年版」発行

カテゴリー: 糖尿病

 日本高血圧学会は「高血圧治療ガイドライン 2000年版」を発行し、現時点における高血圧の標準的な治療法をまとめました。

 血圧を表1のような基準で分類し、脳血管障害(脳出血や脳梗塞など)や冠動脈疾患(心筋梗塞など)のリスクに応じた治療法の基準を示しています。具体的には表2のように、‘血圧以外に危険因子がない場合’、‘糖尿病以外の危険因子がある場合’、‘糖尿病、臓器障害、心血管病のいずれかがある場合’の三つの階層に分けて、治療の重要度の指標とし、糖尿病をより重要な危険因子として取り上げています。

 治療目標については、若年・中年者や糖尿病のある人は130/85mmHg 未満、高齢者は収縮期血圧140〜160mmHg 以下(年齢を考慮)、拡張期血圧 90mmHg 未満が望ましいとしています。糖尿病がある場合は臓器障害(合併症)のリスクが高くなるため、降圧目標がより引く設定されています。とくに糖尿病性腎症があり尿蛋白が1グラム/日以上の場合には、125/75mmHg 未満を降圧目標となっています。

表1 成人における血圧の分類

分 類収縮期血圧
(mmHg)
 拡張期血圧
(mmHg)
至適血圧120未満かつ80未満
正常血圧130未満かつ85未満
正常高価血圧130〜139または85〜89
軽症高血圧140〜159または90〜99
中等症高血圧160〜179または100〜109
重症高血圧180以上または110以上
収縮期高血圧140以上かつ90未満

表2 高血圧患者のリスクの層別化

血圧以外のリスク要因血圧分類
軽症高血圧
(140〜159/90〜99mmHg)
中等症高血圧
(160〜179/100〜109mmHg)
重症高血圧
(180mmHg以上/110mmHg以上)
危険因子なし低リスク中等リスク高リスク
糖尿病以外の危険因子あり中等リスク中等リスク高リスク
糖尿病、臓器障害、心血管病のいずれかがある高リスク高リスク高リスク

●詳しくは、日本動脈硬化学会のホームページへ→トップページ記事掲載ページ

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