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国内の糖尿病患者数は 690万人、予備軍を含めると1,370万人 厚生省「糖尿病実態調査の概要」より

カテゴリー: 糖尿病

 厚生省は、平成9年11月に実施した「糖尿病実態調査の概要」を発表しました。調査対象は、20歳以上の人 5,883人で、男性 2,335人、女性 3,548人、年代別では、20代が 649人、30代 842人、40代1,117人、50代1,212人、60代1,171人、70歳以上 892人です。

 調査から、糖尿病の患者数は‘糖尿病が強く疑われる人’(HbA1Cが 6.1パーセント以上)は全国で 690万人と推計され、‘糖尿病の可能性を否定できない人’(同 5.6〜6.0パーセント)を合わせると、1,370万人と推計されています。

 肥満と糖尿病の関係についてみてみると、糖尿病が強く疑われる人の 28.0パーセント、糖尿病の可能性を否定できない人の 26.9パーセントが、現在肥満(BMI※26.4以上)の状態になっています。また、糖尿病が強く疑われる人の52.7パーセント、糖尿病の可能性を否定できない人の 37.3パーセントが、過去に肥満していたことがあることがわかります。

 治療状況については、糖尿病が強く疑われる人のうち、健診を受けたことのある人の半数以上(51.8パーセント)は治療に結びついています(治療を受けている)が、健診を受けたことがない人の 93.1パーセントは治療を受けていません。なお、今回の調査で健診を受けたことのある人の割合は 66.7パーセントでした。

 糖尿病が強く疑われる人のうち、現在糖尿病の治療を受けている人は 45.0パーセント。残りの 55.0パーセントは治療を受けておらず、その状況は、‘健診で異常値を指摘されたが医療機関を受診しなかった’が1.2パーセント、‘健診で異常値を指摘され医療機関を受診したが、医療機関からは異常を指摘されなかった’1.7パーセント、‘治療を中断’7.1パーセント、‘健診で異常値を指摘され、医療機関からも異常を指摘されたが治療を受けていない’9.1パーセント、‘健診を受けず’13.9パーセント、‘健診で異常なし’22.0パーセントとなっています。

 合併症の発症率をみてみましょう。糖尿病で現在治療を受けている人(217人)のうち、合併症が発症している割合は、神経障害が 20.3パーセント、網膜症16.1パーセント、腎症14.3パーセント、足の壊疽 0.5パーセント。今回の調査で異常値が示されているが、現在は治療を受けていない人(140人)のうち、合併症が発症している割合は、神経障害が 5.0パーセント、網膜症 4.3パーセント、腎症10.7パーセント、足の壊疽 0.7パーセントとなっています。

 また、大血管障害の罹患率は、糖尿病が強く疑われる人(482人)のうち、心臓病の罹患状況は12.4パーセント、脳卒中は 4.4パーセント。糖尿病の可能性を否定できない人(468人)では、心臓病が10.7パーセント、脳卒中が4.1パーセントです。なお、今回の調査では正常範囲だった人(40歳以上、4,452人)では、心臓病 6.4パーセント、脳卒中 2.5パーセントでした。

※BMI:Body mass index(ボティー・マス・インデックス)の略で、肥満や低体重(やせ)の判定に用いられる数値です。BMIは、体重 (kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m) によって算出します。現在は 25 以上は肥満、18.5 未満はやせと判定されますが、この調査が行われた時点では、26.4以上を肥満としていました。

●詳しくは、厚生労働省のホームページへ→トップページ記事掲載ページ

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