ユ羇紫g篋峨篌 JPALD
羇紫g篋
筝祉羇紫g
最近の関連情報・ニュース

腎障害バイオマーカーL-FABPとAKI

キーワード: 糖尿病 CKD(慢性腎臓病)

L-FABPは軽度の組織障害であっても、極めて初期から検出可能

 AKIのモデルとして虚血再灌流により腎障害を誘発したマウスを用い、虚血時間と再灌流後の経過時間ごとに、BUN、NAG、L-FABPを比較したところ、BUNは30分間虚血し再灌流後24時間経過して初めて有意に上昇していた。NAGはそれより短時間の虚血および再灌流後経過時間で有意な上昇がみられたが、L-FABPはさらに鋭敏に変化していた(図2)。

図2 腎虚血強度とバイオマーカー

虚血再灌流により腎障害を誘発したマウスの、虚血時間および再灌流後経過時間別にみた各種バイオマーカーの変化。

図2 腎虚血強度とバイオマーカー

〔Negishi K,Noiri E,et al.Am J Phathol 174(4):1154-1159,2009〕

 同様の手法でシスプラチンによる腎毒性を検討した場合もL-FABPが最も鋭敏であり、用量依存的かつ経時的に上昇した(図3)。

 続いて、L-FABPの上昇が実際に腎組織の障害を反映したものであるのかを顕微鏡所見と比較検討したところ、L-FABPが有意に上昇しているモデルでは、腎の構造的損傷を表す指標であるATNスコアが、虚血時間やシスプラチンの用量に依存して上昇していることが確認された。

図3 腎毒性強度とバイオマーカー

シスプラチンにより腎障害を誘発したマウスの、シスプラチン投与量および投与後経過時間別にみた各種バイオマーカーの変化。

図3 腎毒性強度とバイオマーカー

〔Negishi K,Noiri E,et al.Am J Phathol 174(4):1154-1159,2009〕

NSAIDs腎症を早期に検出できる可能性も

 では、L-FABPは腎障害をどの程度早期に検出できるのであろうか。シスプラチンを投与したマウスを72時間後に解剖し確認した腎障害を、BUNはシスプラチン投与48時間時点の有意な上昇で予測できたの対し、L-FABPは投与12時間時点から有意に上昇し、24時間時点のL-FABPからは極めて高い感度・特異度で72時間後の腎障害を予測できることがわかった(図4)。

図4 各種バイオマーカーのAKI予測能

マウスにシスプラチンを投与し24時間経過した時点で各種バイオマーカーを測定し、投与72時間後のAKI発症予測能を比較。

図4 各種バイオマーカーのAKI予測能

〔Negishi K,Noiri E,et al. Am J Phathol 174 (4): 1154-1159, 2009〕

 薬剤性腎症の関連でもう一つデータを提示する。セレコキシブは安全性の高いCox-2阻害薬として知られているが、hight doseでは腎障害を来すことがある。図5はマウスにセレコキシブを投与した後のL-FABPの推移であるが、レスポンダーの場合、24時間後から1週間後に高値を示した。この結果がそのままヒトに当てはまるとは言えないものの、臨床でNSAIDsを処方する機会は非常に多いことから、処方開始後の再診でL-FABPが高い患者に遭遇した場合、やや注意が必要なのかもしれない。

図5 L-FABPによるNSAIDs腎症の検出

マウスにセレコキシブ投与後、レスポンダー群では24時間後にL-FABPは著明に上昇した。

図5 L-FABPによるNSAIDs腎症の検出

〔Tanaka T,Noiri E,et al. Nephron Exp Nephrol 108 (1): e19-26,2008〕

次は...L-FABPが15μg/gCr以上なら造影剤腎症に注意が求められる

(mhlab)

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2019年11月22日
妊娠中の長時間労働や夜勤が健康リスクに 全国の約10万人の女性を調査 エコチル調査
2019年11月22日
ナッツが肥満や糖尿病のリスクを低下 ジャンクフードをナッツに置き換える食事法
2019年11月22日
保健指導で「食べる順番」に重点をおいた食事指導をすると減量効果が大きい
2019年11月22日
肥満・メタボの増加の原因は小児・若年期にある ユニセフ「世界子供白書2019」
2019年11月12日
11月14日は「世界糖尿病デー」 糖尿病の半分以上は予防できる

疾患 ▶ CKD(慢性腎臓病)

2019年11月06日
食事の改善で「腎臓病」のリスクを減らせる 高血圧・糖尿病・肥満がCKDの要因
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】
2019年10月02日
糖尿病の治療をしないと腎機能が低下 リスクは4年後に8倍超に上昇
2019年09月19日
厚労省が「食事摂取基準2020年版」の要点を公表 脂質異常症と高齢者のフレイルに対策
2019年08月15日
「10月8日は、糖をはかる日」講演会2019 参加者募集開始!