一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
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43.乳がん(2) 女性のがん予防と検診

 女性特有のがんである、乳がんと子宮がん。その予防と検診の重要性について、東北大学医学部の坪野吉孝助教授に聞きました。
乳がん予防では、何が大切ですか
 「検診です。しかも“マンモグラフィー”という乳房エックス線撮影が効果的。現在は、医師が乳房を触って調べる“視触診”が一般的な検診として普及していますが、これだけでは、死亡率が下がらないことがわかっています。一方、マンモグラフィーを受けていた方が、死亡率が低くなるという研究結果があります。すでに50歳以上の検診では、マンモグラフィーと視触診を併用していますが、30〜49歳は視触診のみなので、厚生労働省は40歳以上もマンモグラフィーの併用を検討しています」
乳がんも高齢者に多いのですか
 「がんというと高齢者の病気で、年を取れば取るほどかかりやすいと思われていますが、乳がんは違います。30代以降の比較的若い世代から多く見られ、ピークは40代後半。40歳以上になったら、積極的にマンモグラフィーを含む乳がん検診を受けてください。そして、たまたま自分でしこりを見つけられたら、精密検査を受けましょう」
大豆の成分イソフラボンに、予防効果があるとよく聞きますが…
 「大豆製品の摂取量が多い日本人に乳がんが少ないことから注目されています。昨年発表された国立がんセンターの日本女性2万人の調査では、閉経後の女性でみそ汁などからのイソフラボンの摂取量が多くなるほど発生率が低くなっていました。とはいえ、サプリメントで大量にとったりすると、害を及ぼす危険性も残っているので、気をつけてください」
では、子宮がんについて教えてください
 「日本人女性に多いのは、子宮の入り口付近の頸がんです。30代から増え始めて50代がピークですが、最近は20代での罹患が増え、問題になっています。原因のほとんどが性交渉でのヒトパピローマウィルス感染。検診が有効なので、現行の30歳以上を25歳に引き下げようという動きがあります。また、子宮の奥の体がんは、この50年で発生率が2倍に増えました。閉経後の50代後半から60代前半にかかる人が最も多く、肥満がリスクを増やすことがわかっています。食事や運動に気をつけ、太り過ぎないように心掛けましょう」

2004年02月 公開

※記事内容、肩書、所属等は公開当時のものです。ご留意ください。

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