一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
おいしく食べる 楽しくはかる 生活習慣病講座

16.血糖コントロールと食事

 糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続く病気です。予防には血糖値のコントロールが重要といわれています。食生活との関係について日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄医学博士に聞きました。
まず、血糖値はどんな時に上がりますか
 「食事をとると糖質が分解されてブドウ糖になり、血糖値が上がります。健康な人は2―3時間もすれば正常に戻りますが、糖尿病予備軍の中には、空腹時は正常でも食後の血糖値が糖尿病の範囲に入るほど高くなる人がいます。この状態は、『食後高血糖』、『食後過血糖』といい、糖尿病への移行を早めたり、動脈硬化のリスクを高める危険性があります。そのため、血糖コントロールが重要になるのです」
では、どうすればよいのでしょうか
 「食後の血糖上昇を緩やかにして、インスリン必要量を少なくする『低インスリンダイエット』という食事のとり方があります。食品がどれくらい血糖値をあげるのかを示す、グリセミック・インデックス(GI)値という指標を用い、このGI値が低い食品を利用します。ただこの場合、全ての食品のGI値を考えるのではなく、重要なのは主食の穀類。精白されていないものほどGI値が低く、食物繊維も含まれているので、糖尿病の予防に効果的です。つまり、白米より玄米、胚芽米、麦飯。白パンより、胚芽、ライ麦、全粒粉パンがお勧めです。また、酢、牛乳、レモンなどはGI値を低くしますから、積極的にとってください。血糖値の上昇を穏やかにする特定保健用食品を利用してもよいでしょう」
食べ方にも、ポイントがあるのですか
 「まず、よくかむことが大切です。炊きたてのご飯より、おにぎりなど冷めたご飯をよくかんで食べる方が、食後の血糖値の上がり方が緩やかなことがわかっています。また、ゆっくり食べることも重要で、食べ方が早いとインスリン分泌が血糖値の上昇に間に合わず、食後高血糖を招きます。そして、3食しっかりとりながらも、食べ過ぎないこと。3食分の量を2食に分けると、1回分が多くなり、食後の血糖値がより高く、高血糖が長く続いてしまいます。以上の食べ方に気をつけながら、血糖をコントロールして、糖尿病を予防してください」

2003年07月 公開

※記事内容、肩書、所属等は公開当時のものです。ご留意ください。

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