一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病
おいしく食べる 楽しくはかる 生活習慣病講座

35.がん予防と生活習慣

 がんにならないためには予防が重要といわれますが、果たしてどの程度防げるのでしょうか。生活習慣との関係について、東北大学医学部の坪野吉孝助教授に聞きました。
まず、がんの原因について教えて下さい
 「『食事が30%、たばこが30%』といわれています。これは食事やたばこなどの要因が、発がんにどれくらい影響を与えるのかを、アメリカのハーバード大学が1996(平成8)年に推計したもの。詳しくみると、食事というのは「成人期の食事と肥満」のことで、これが原因でがんになるのが30%。喫煙の30%と合わせると60%も占めています。さらに、運動不足が5%、アルコールが3%で、個人の生活習慣ががんの原因の約70%にもなっているのです。それに比べ、遺伝はわずか5%程度で、いかに生活習慣が重要なのかがわかりますね」
生活習慣を改善すれば、予防できますか
 「イギリスの研究者が2001年に発表した『がんの原因を取り除いたら、どれだけ予防できるのか』を推計した研究があり、喫煙者と非喫煙者に分けて考えられています。まず、喫煙者ですが、たばこをやめればがんの60%は予防できるという結果でした。よく、たばこを吸いながら、食事に気を配ったり、サプリメントを飲む人がいますが、喫煙者の場合、食事の影響は4〜12%と少なく、あまり意味はありません。がんになりたくないのなら、まずはたばこをやめることです」
吸わない人の場合は?
 「食べ過ぎや運動不足による肥満が問題です。研究結果によると、生活習慣の改善でがんの約50%を予防でき、最も影響が大きいのは食生活で10〜30%でした。次は肥満の10%で、最近とても注目されています。2003年の世界保健機構(WHO)の報告書でも、「肥満と過体重」は確実に食道がん、大腸がん、閉経女性の乳がんなどのリスクを上げ、逆に運動は大腸がんのリスクを下げることがわかっています」
ほかに、気を付けたい生活習慣はありますか
 「飲酒ですね。少量飲酒が健康によいといわれますが、それは心筋梗塞の場合だけ。アルコールにはがんの予防効果は全くありません。しかも、“酒飲みのがん”として知られる食道がんや肝臓がんだけでなく、大腸がんや乳がんのリスクも上がると、さまざまな研究で報告されているので、注意してください」

2003年12月 公開

※記事内容、肩書、所属等は公開当時のものです。ご留意ください。

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