2017年11月30日
ママから笑顔がきえるとき―文京学院大が産後うつ予防リーフレット作成
キーワード:
ストレス関連疾患/適応障害 女性の健康
文京学院大学はこのほど、「誰にでもおこりうつ『産後うつ』を予防するために」をテーマに、リーフレットと動画『ママから笑顔がきえるとき』を作成し、公表した。日本では10人に1人が「産後うつ」の疑いがあると言われる中、母親と、その家族を対象に広く「産後」うつについて知ってもらい、予防につなげていくのが目的。リーフレットは全国の市区町村などで無料配布されるほか、同大学のHPからもダウンロードできる。
産後うつ病の疑いがある人の割合は、厚生労働省の平成13年度調査「産後うつ病の実態調査ならびに予防的介入のためのスタッフの教育研修活動(中野仁雄班)では13.4%であったものの、平成25年度厚生労働科学研究:「健やか親子21」の最終評価・課題分析及び次期国民健康運動の推進に関する研究(山縣然太朗班)では9.0%と減少傾向が見られる。
一方で、依然、約10人に1人はうつ病の疑いがあることから、厚生労働省は全国に「子育て世代包括支援センター」の設置を進め、「健やか親子21」の取り組みとしても「産後うつ」の予防・早期発見のための支援体制構築に取り組んでいる。
そのような中で同大学は、産後うつ問題に詳しい東京慈恵会医科大学非常勤講師で広尾レディースの宗田聡院長をはじめ、保健師、助産師の方々の協力を得て、産後うつ予防を啓発するリーフレットと動画を作成した。総合監修は、母性看護学や助産学、母子保健が専門で、助産師でもある同大学保健医療技術学部・市川香織准教授。
リーフレットは、縦28cm×横58.2cm。折りたためば縦14cm×横9.7cmに収納でき、母子手帳にも挟んで携帯できる。表面には産後うつ予防のための「知識編」、「生活変化編」、「心理編」など、イラストを多用して分かりやすく説明。インフォグラフィックの手法を使い、視覚的にも分かりやすくデザインされている。一方の中面は、産後における母親の気持ちの変化と対処法について、症状の軽い状態から「産後うつ」疑いの高い状態まで段階ごとに危険度を表現。周囲の家族が、母親のSOSに気づくヒントになるよう、理解と協力を求めている。
リーフレットは母子手帳と一緒に妊娠中の女性の手にわたることを願い、全国の市区町村の保健センターなどに送付。そのほかの団体や個人からの直接の申し込みも受け付けている。一方、リーフレットの内容を約4分半にまとめた動画は、同大学のホームページから閲覧できる。
文京学院大学 保健医療技術学部
産後うつ予防啓発リーフレットと動画「ママから笑顔がきえるとき」
[mhlab]