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NAFLD/NASHはMASLD/MASHにーMASLD/MASHの日本語名称が正式に決定!

キーワード: 脂肪肝/NAFLD/NASH

 近年わが国では、アルコールを飲まない、あるいはさほど飲まない(過剰飲酒ではない)脂肪肝による肝炎(「NASH(ナッシュ)」を含めて、「非アルコール性脂肪性肝疾患」(「NAFLD(ナフルディー)」の増加が懸念されています。
 これらの脂肪性肝疾患の病名と分類法を変更が世界的に進められてきましたが、日本語の正式名称が決定しました。
 本変更の背景は "alcohol"や"fatty"という言葉が入った病名が誤解を招きやすく、不適切であるということが世界的に議論されていたことによります。

日本生活習慣病予防協会

NAFLD/NASHからMASLD/MASHに名称変更

 2023年6月に欧州肝臓学会(EASL)、米国肝臓病学会(AASLD)、ラテンアメリカ肝疾患研究協会(ALEH)が合同で名称変更を発表したことを受け、日本肝臓学会、日本消化器病学会もこの変更に賛同することを発表していました。その後、両学会のNAFLD/NASH 診療ガイドライン作成委員会が合同で検討を続けてきた結果、2024年8月日本語の新たな病名と分類が正式に決定し発表されました。

 まず、NAFLDやNASHを含め、さらに上位に位置する、肝臓の一連の変化のベースとなる状態が「脂肪性肝疾患(SLD)」として定義されました。これは従来、「脂肪肝(fatty liver)」と呼んでいた状態とほぼ同じです。

 このSLDの中で、過剰飲酒がなく代謝異常が生じている場合を「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD、マッスルディー)」(従来のNFALD)となりました。代謝異常が生じている場合とは、過体重や肥満、2型糖尿病がある場合のほかに、体重が基準範囲以下であったとしても、腹部肥満、中性脂肪高値/善玉コレステロール(HDL-C)低値、血圧高値、インスリン抵抗性、全身性炎症などが複数あてはまる場合も該当します。そして、このMASLDに該当して、かつ肝炎が生じている場合は、「代謝異常関連脂肪肝炎( MASH、マッシュ」(従来のNASH)となりました。

 MASLD/MASHを含めた脂肪性肝疾患関連の新しい日本語名称は以下となります。

新しい日本語名称

・Steatotic Liver Disease(SLD):脂肪性肝疾患
・Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease(MASLD):
 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患
・Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis(MASH):
 代謝機能障害関連脂肪肝炎
・Alcohol Associated (Related) Liver Disease(ALD):
 アルコール関連肝疾患
・MetALD :代謝機能障害アルコール関連肝疾患
・Cryptogenic Steatotic Liver Disease:成因不明脂肪性肝疾患
・Specific Aetiology Steatotic Liver Disease:特定成因脂肪性肝疾患

出 典

・脂肪性肝疾患の日本語病名に関して(一般社団法人日本消化器病学会)
[mhlab]

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