2023年01月31日
2月は「全国生活習慣病予防月間」です!2023年のテーマは一無(無煙・禁煙)~ Web講演会や生活習慣病予防啓発ポスターなど公開中~
キーワード: 一無・二少・三多 全国生活習慣病予防月間 協会・賛助会員関連ニュース
全国生活習慣病予防月間2023
たばこがどれだけ体に悪いのかという話は、すでに多くの方が一度は耳にされていることでしょう。しかし、医学的研究は日進月歩。年々新たなエビデンスが蓄積されてきています。さらに近年の大きなトピックスとして、加熱式たばこの台頭が挙げられます。加熱式たばこは一般的に「害の少ないたばこ」だと思われ、メーカーからも「有害成分の含有量は従来型たばこの10%程度」というデータが公表されています。ただ、それは「100階から落ちるか10階から落ちるかの違い」とのこと。 そして、最近のトピックは「SDGs」。たばこの生産は貧困国を中心に行われており、収穫にあたる子どもたちが、経皮吸収によるニコチン中毒で死亡することもあるという衝撃的な実態が紹介されます。もちろん、栽培に伴う環境破壊も座視してよい問題ではありません。(収録時間22:19)
講演2「高血圧と喫煙をめぐって」 齊藤 郁夫 先生(慶応義塾大学 名誉教授)
4,300万人の日本人が患っていると言われる「高血圧」。講演はその高血圧とはどういう病気かという話からスタートします。国内で最も古い高血圧に関する疫学研究は、今からちょうど100年前の1923年に報告されました。その後、米国のフラミンガム研究や我が国の久山町研究など、現在も続けられている疫学研究によって、高血圧とともに「喫煙」が、心血管疾患の重大なリスクファクターであることが明らかになりました。現在のガイドラインでは、高血圧治療に際して禁煙が減塩などとともに修正可能因子として掲げられています。 最近のトピックとして昨年、高血圧治療補助アプリが保険適用されたことを解説。アプリの効果も含めて、高血圧の最新治療と「一無、二少、三多」の関連が語られます。(収録時間22:35)
講演3「たばこと歯周病」 小林 隆太郎 先生(日本歯科大学 東京短期大学 学長、日本歯科大学 口腔外科 教授)
歯周病を単に「歯の病気」だと思っている人には、ぜひこの動画をご覧になることをお勧めします。「歯のために歯磨きをする」と言っていたのは昔のことで、今では「命を守るために歯を磨く必要がある」とのこと。歯周病がさまざまな疾患のリスクを押し上げていることを示すエビデンスが蓄積されています。講演ではまず、それらの疾患と歯周病との関連が解説されます。続いて歯周病の原因と治療方法の解説へと話は進みます。 たばこもまた歯周病のリスク因子であり、喫煙者は歯周病罹患率が高くて進行も速い、つまり、口の中の老化が進んでしまっていて、その影響はインプラント治療後にも及びます。たばこは直接的に体を蝕み、かつ、歯周病を介して全身に悪影響を及ぼします。(収録時間24:27)
講演4「新たな禁煙治療法~オンライン診療と禁煙アプリ~」 村松 弘康先生(中央内科クリニック 院長、東京都医師会タバコ対策委員会アドバイザー)
オンライン診療はCOVID-19パンデミックにより緊急措置的な意味合いでスタートしました。禁煙治療においては、ニコチン依存状態への治療と、精神的な依存状態への治療を並行して進めることが成功のポイント。これまでのニコチンパッチなどの治療法はニコチン依存症に対する治療であって、精神的な依存状態への治療は手段が限られていました。そこに最近登場したのが禁煙アプリ。「アプリを利用した治療により医療費負担はやや増える。しかし禁煙に成功すればたばこ代がかからなくなるのだから、検討に価する」とのこと。 このほか、たばこはCOVID-19感染リスクと重症化リスクを高めるだけでなく、long COVIDと呼ばれる後遺症のリスクを高めることも明らかになっています。(収録時間17:52)
総合討論「たばこは万病のもと」 市民公開講演会の最後に総合討論が行われました。「実際に喫煙習慣のある患者さんに対してどのような指導を行っているか?」、「禁煙ではなく節煙では意味はないのか?」などの司会者の質問に対して、各講師がそれぞれ解説。その他、会場からの質問やパネリスト間での質問への応答、講演で紹介しきれなかった重要な情報の追加解説などが語られました。(収録時間22:49)
本年も多くのメディアに取り上げていただき、ご応募数は4年連続で2,000通を超え、本年度は過去最多の約2,300通、約8,000作品となりました。
「一無、二少、三多」は、生活習慣病の発症や病状の悪化に関与する喫煙、多量飲酒、過食、運動不足、休養・睡眠不足、孤独感などの不健康な生活習慣を避けるために、日常心がけたい生活習慣(「一無(無煙・禁煙)」、「二少(少食、少酒)」、「三多(多動、多休、多接)」をわかりやすく表現した当協会の健康標語で、当協会が普及啓発に努めています。
本年度、「一無、二少、三多」を、言葉ではなく、視覚的によりわかりやすくするためにピクトグラムを作成しました。また「全国生活習慣病予防月間2023」に併せてポスター、リーフレットを公開しています。
厚生労働省、公益財団法人 健康・体力づくり事業財団、健康日本21推進全国連絡協議会、公益財団法人 日本糖尿病財団、公益財団法人 循環器病研究振興財団、公益社団法人 アルコール健康医学協会、公益財団法人 8020推進財団、一般社団法人 日本肥満学会、一般社団法人 日本肥満症予防協会、一般社団法人 日本サルコペニア・フレイル学会、一般社団法人 日本産業保健師会、一般社団法人 日本くすり教育研究所、NPO法人 日本人間ドック健診協会、日本健康運動研究所 ほか
関連情報
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