2024年11月22日
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の有病率は9~30%。少なくとも1,000万人以上と推計
カテゴリー: 脂肪肝/NAFLD/NASH 患者数
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の有病率(成人)は、肥満の人やメタボリックシンドロームの患者の増加を背景に世界的に増加しています。我が国の有病率は9~30%とされ、患者数は少なくとも1,000万以上と推計されます1)。
有病率29.7%と報告された2012年のコホート研究2)では、男性41.0%、女性17.7%と男性が多く、年齢分布では男女とも年齢とともに上昇し、男性は40歳代が最も高く、女性は60歳代が最も高いという結果でした。
非肥満者(BMI25未満)のNAFLDの有病率は7~20%と報告されています3)
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の有病率(成人)は3~5%とされていますが1)、実態は明らかではありません。
NAFLDからの肝がん発生率は0.44/1,000人・年、肝病態の進展に伴いリスクは上昇し、NASHでは5.29/1,000人・年、肝硬変では0.45~22.6人・年と推計されています2)
※2024年8月、NAFLDやNASHの名称が変更になりました。NAFLDは「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD、マッスルディー)」、NASHは、「代謝異常関連脂肪肝炎(MASH、マッシュ」となりました。代謝異常とは、糖尿病や脂質異常症、肥満/メタボリックシンドロームなどを示しています。
●情報ソース:
1) 日本消化器病学会「患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド2023」
2) Eguchl Y, et al.J Gastroenterol.147(5)586-95,2012
3) 日本消化器病学会・日本肝臓学会 編著「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020」