2018年09月18日
2017年国民健康・栄養調査(2) 食事エネルギー量は60歳代が最多 外出しない高齢男性が低栄養に
カテゴリー: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 国民健康・栄養調査(厚生労働省)
食事で摂取する1日当たりのエネルギー量は男女とも60歳代がもっとも多く、高齢者では脂質摂取量の割合が低いことが明らかになった。
引きこもりがちで外出しない高齢者は、低栄養に陥りやすいことも分かった。
睡眠時間について、40歳代では約半数が6時間未満であることなども示された。
引きこもりがちで外出しない高齢者は、低栄養に陥りやすいことも分かった。
睡眠時間について、40歳代では約半数が6時間未満であることなども示された。
食事のエネルギー量 60歳代が最多 若い世代は減少
2017年「国民健康・栄養調査」によると、食事で摂取する1日当たりのエネルギー量は男女とも60歳代がもっとも多く、男性で2,218kcal、女性で1,794kcalとなっている。20〜40歳代のカロリー摂取量は20年間で1割前後減少している。
「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によると、60歳代のエネルギー必要量は、身体活動レベルが普通であると男性で2,450kcal、女性で1,900kcal。
外出しない高齢男性に低栄養の傾向 「運動や社会参加が影響」
引きこもりがちで週に1度も「外出しない」65歳以上の男性は、「外出がある」人と比較して、低栄養に陥りやすい傾向があることも分かった。
65歳以上の高齢者で、一般的に低栄養とされるBMI(体格指数)が20以下の人は男性が12.5%、女性が19.6%。年齢階級別にみると、80歳以上では男性の17.3%、女性の20.8%が低栄養だ
食事摂取基準ではBMIの目標を、50〜69歳では20.0〜24.9、70歳以上では21.5〜24.9としている。
目標とするBMIの範囲内にある高齢者の割合は、男性では5割を超えているのに対し、女性では70歳以上は4割を下回っている。また、範囲内におさまらない高齢者の割合は75歳代以上で、男性 49.3%、女性 62.2%と高くなる。
睡眠時間 40歳代の半数が6時間未満 40歳代の3割が「睡眠での休養が不十分」
1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性で36.1%、女性で42.1%に上る。40歳代では約半数が6時間未満であることが分かった。
1日の平均睡眠時間が「6時間以上7時間未満」という人の割合は、男性で35.0%、女性で33.4%と、もっとも高い。「6時間未満」の割合は男性で36.1%、女性で42.1%。こうした結果に対し、40歳代男性は48.5%、40代女性は52.4%と、全年齢層でもっとも高い数値が出ている。
20〜30歳代は仕事や子育てなどで忙しいイメージがあるが、睡眠時間が6時間未満の人は、男性では20歳代で42.1%、30歳代で43.5%。女性では20歳代で41.3%、30歳代女性で37.7%で、40〜50歳代を下回っている。
男性の喫煙率がはじめて3割を切る 「たばこをやめたい」人は過去最高
2017年の時点で習慣的に喫煙している人の割合は、前年比0.6ポイント減の17.7%だった。男女別の喫煙率は、男性が29.4%、女性が7.2%で、男性の数値がはじめて30%を切った。
習慣的に喫煙している人の割合は、年齢を重ねるごとに減っていく。男性では30歳代が最多の39.7%。以下は40歳代(39.6%)、50歳代(33.4%)、60歳代(30.6%)、70歳代(16.2%)と続く。女性では、40歳代(12.3%)が最多。50歳代(9.8%)、「30〜39歳」(8.5%)、60歳代(7.3%)、70歳代(2.9%)という結果になった。
喫煙者の中で「たばこをやめたい」と考えている人の割合は、前年比1.2ポイント増の28.9%。男性では26.1%、女性では39.0%が禁煙の意向をもっていた。禁煙したいという人はを男女年代別にみると、男性では20歳代(30.4%)、70歳代(28.3%)、女性では70歳代(58.1%)、50歳代(47.1%)でとくにに多い。
たばこを吸っていない人が受動喫煙する機会が多い場所は、「飲食店」が42.4%でトップ。「遊技場」(37.3%)、「路上」(31.7%)、「職場」(30.1%)も多かった。
調査は2017年11月に実施。対象となったのは2017年国民生活基礎調査から層化無作為抽出した300単位区内の全世帯・世帯員。調査実施世帯数は3,076世帯で、身体状況調査の集計数は6,007人、生活習慣調査の集計数は6,598人。