2013年11月18日
世界の糖尿病人口は3億8200万人に増加
国際糖尿病連合(IDF)は、11月14日の世界糖尿病デーに合わせて、世界の糖尿病に関する最新の調査をまとめた「糖尿病アトラス 第6版」を発表した。
主な内容は以下のとおり
- 糖尿病有病者数は2013年現在で3億8,200万人(有病率 8.3%)。有効な対策を施さないと、2030年までに5億9,200万に増加すると予測。
- 日本の現在の成人糖尿病人口は720万人で、昨年の710万人から微増。世界ランキングでは第1位の中国(9,840万人)、第2位のインド(6,507万人)、第3位の米国(2,440万人)をはじめ上位7ヵ国の順位は昨年と同じだが、第8位にドイツ(755万人)が新たに加わり、日本は昨年の9位から10位へと後退した。
- 2型糖尿病の有病者数は、世界のすべての国で増加している。糖尿病有病者の80%は低・中所得の国に集中しており、糖尿病に対する「豊かな先進国に多い疾患」というイメージが誤解であることが浮き彫りになっている。
- 糖尿病が原因で死亡した人は、2013年は510万人に上った。6秒に1人が糖尿病のために亡くなっている計算になる。2013年の糖尿病による経済的な損失は、総支出の11%に相当する54兆8,000億円(5,480億ドル)に上る。
- 糖尿病有病者のうち1億7,500万人は、糖尿病と診断されていない。糖尿病を早期発見するためのカギとなるのは血糖値検査で、治療の基礎となるのは食事や運動などの生活習慣の改善だ。糖尿病の発見と治療が遅れると、目、腎臓、神経に障害が起き、動脈硬化などの重大な合併症が起こりやすくなる。
- 2013年に1型糖尿病を発症した子供の数は7万9,000人以上。1型糖尿病の患者数は欧州(12万9,400人)や北米(10万8,600人)で多い。
- 耐糖能異常(IGT)は、先進国や経済成長が著しい途上国で増えている。耐糖能異常は、糖尿病と診断されるほどではないが血糖値が高くなっている状態だ。この段階から生活習慣の改善などの介入をすることで、糖尿病の多くは予防可能になる。医療分野の政策を推し進め、予防に向けて社会整備をする必要がある。
- 妊娠時に血糖値が高くなる「妊娠糖尿病」は2,140万人と推定される。妊娠糖尿病は母親と胎児にとって危険なだけでなく、出生した子供が成人してから2型糖尿病を発症しやすくなるなど、深刻な影響をもたらす。
●詳細はこちら→世界糖尿病デー 世界の糖尿病人口は3億8200万人に増加