2013年09月03日
患者さんの約半数が血糖管理目標に届いていないなど、実態が明らかに 糖尿病実態アンケート
国立循環器病研究センターの岸本一郎糖尿病・代謝内科医長らの研究グループは、心臓病や脳卒中の高危険群である糖尿病の地域診療の現状を把握するため、約1,000人の患者を対象とした糖尿病実態アンケート行い、その結果を発表した。
調査結果の概要
- 約半数が血糖管理目標に達していない(注1)
- 特に50代後半から60代に血糖管理が悪い方が多い
- 4割以上が眼科を定期受診していない(注2)
- 8割以上が糖尿病連携手帳を所持していない(注3)
(注1)人口の約8%が糖尿病であるが、その半数が合併症を予防するために必要な血糖値の管理が出来ていない。
(注2)糖尿病性網膜症は糖尿病の主要な合併症の一つであり我が国における失明原因の第一位である。早期には自覚症状が現れにくく、定期的な眼科健診が早期発見と治療に重要であるが、今回の調査では、患者の半数近くが眼科の定期健診を受けておらず、ひいては動脈硬化や腎臓病など他の合併症にも注意を払っていないことが考えられる。
(注3)糖尿病連携手帳は、自分自身でHbA1c値に注意を払い、また合併症のチェックを定期的に受けてもらうことに役立つが、大部分の方は活用していない結果であった。
この調査によって、今回の調査で合併症を防止するための血糖コントロールが不十分であることが明らかになった。また、同グループは、今後は地域での診療連携をさらに推進するとともに、自己管理に有用な糖尿病連携手帳の普及が必要であるとしている。
調査結果の詳細はこちら
<糖尿病実態アンケート調査結果>約半数の患者さんが血糖管理目標に達していない[国立循環器病研究センター プレスリリース]