2006年05月08日
男性2人に1人、女性5人に1人が、メタボリックシンドロームかその予備群 厚生労働省「平成16年 国民健康・栄養調査の概要」より
カテゴリー: 肥満症/メタボリックシンドローム
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の平成16年調査では、国内で新たに設けられたメタボリックシンドロームの診断基準に該当する人の割合をまとめています。それによると、20歳以上で‘メタボリックシンドロームが強く疑われる人’と‘メタボリックシンドロームの予備群と考えられる人’の割合は、男性はそれぞれ23.0パーセント、22.6パーセントで、合計すると5割近くにのぼります。とくに40歳以上になると、その割合が急増することが示されています。女性では、おのおの8.9パーセント、7.8パーセントで、ほぼ5人に1人の割合です。そして、60歳以上に多いことが示されています。
なお、この調査における‘メタボリックシンドロームの予備群と考えられる人’とは、ウエスト周囲計の基準値を超えている人の中で、血清脂質、血圧、血糖のうち一つに異常がみられる人としています。また、国民健康・栄養調査の血液検査は、必ずしも空腹時採血でないため、血清脂質については中性脂肪を除きHDL-コレステロールのみを基準とし、血糖については空腹時血糖110mg/dL以上ではなく、老人保健事業の検診と同様に HbA1Cが5.5パーセント以上という基準を採用しています。
現在、国内においてはメタボリックシンドロームの診断の際、内臓脂肪の蓄積を確認するために、ウエスト周囲計の計測が必須となっいます。今回の調査結果をウエスト周囲計の基準値以上のグループと基準値未満のグループに分け、血清脂質、血圧、血糖の検査値異常がいくつ該当するかを比較した結果では、男女ともに、ウエスト周囲計が基準値以上のグループのほうが、検査値異常の数が多いことがわかりました。
両グループ間の差を年齢層別にみると、50歳未満では、異常値を示す検査値が二つ該当する人の割合の差が大きく、50歳以上の年齢層では、検査値異常が三つ該当する人の割合の差も大きくなる傾向が読み取れます。
検査値の異常が一つだけ該当する頻度は、ウエスト周囲計で分けた両グループ間で、それほど大きな差はみられません。これは、検査値の異常が一つの場合、メタボリックシンドロームの存在と関わりなく、その疾患を発病している人が少なくないためと考えられます。