2006年05月08日
3割近くの人に「進行した歯周炎」があり、50〜60歳代は4割超 厚生労働省「平成16年 国民健康・栄養調査の概要」より
カテゴリー: 歯周病
厚生労働省の「平成16年 国民健康・栄養調査の概要」から、歯周病に関する項目をピックアップし紹介します。まず、「進行した歯周炎」がある人の割合は、15歳以上の28.8パーセントにのぼりました。とくに、50歳代では43.6パーセント、60歳代では40.7パーセントと高率になっています。性別による差はあまりありません。
歯周炎とは、歯周病のなかでも、炎症が歯肉にとどまる「歯肉炎」よりも進んだ状態です。この調査の結果は、その歯周炎のなかでもさらに進行した状態ですので、軽度の歯周炎や歯肉炎は含まれていません。なお、この調査では「進行した歯周炎」を、「歯茎が下がって歯の根が見えている」「歯茎を押すと膿が出る」「歯がぐらぐらする」「歯周病の治療をしている」の4項目中一つ以上が該当する場合としています。
次に、歯と歯の間の清掃にデンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどを用いている人の割合は、男性31.6パーセント、女性41.0パーセントという結果で、女性が約10ポイント高くなっています。最近の1年以内に歯科検診を受けた人の割合は、男性31.7パーセント、女性35.5パーセントでした。 歯周病には、その発病や進行を促すいくつかの危険因子があり、その一つに喫煙があります。今回の調査では喫煙習慣と歯の本数の関係も調べています。それによると、男性では、たばこを吸ったことがない人、以前吸っていた人、現在も吸っている人の順に、残っている歯の本数が少なくなり、かつ、同じ順に、「なんでも噛んで食べる」と答えた人も少なくなるという関係がみられました。女性については、喫煙者率が少ないので、このデータはありません。