2005年04月21日
たばこが健康に与える影響についての社会的な認知度や受動喫煙の状況なども調査 厚生労働省「平成15年 国民健康・栄養調査の概要」より
カテゴリー: COPD(慢性閉塞性肺疾患)
厚生労働省は従来より年1回「国民栄養調査」を実施していましたが、国民の生活習慣などをより明かにするために平成15年から調査内容を拡充し「国民栄養・健康調査」として実施し、このほどその結果の概要を発表しました。平成15年調査は‘たばこ’に重点を置いた内容になっています。それによると、まず、現在習慣的に喫煙している人の割合は、男性46.8%、女性11.3%でした。
たばこによる健康への影響については、46.6%の人が「とても気になる」と答えていて、平成10年に行われた調査に比べて約5ポイント増加しています。しかし一方で、喫煙および受動喫煙による健康被害に関する知識についての質問を見ると、社会的な認識は5年前の調査とほとんど変化がないことがわかります。
具体的には、「たばこを吸うとかかりやすくなる病気」として肺がんは87.5%、妊娠への影響83.2%と多数の人がその危険性を知っていたものの、数値的には平成10年調査からあまり増えていません。また、気管支炎65.6%、ぜんそく63.4%、肺気腫56.4%と、その他の呼吸器の病気への影響の認知度はあまり高くありません。さらに呼吸器以外の病気への影響は、心臓病で45.8%、脳卒中43.6%、歯周病35.9%、胃潰瘍33.5%となっていて、社会的認知が相変わらず不足していることがわかります。
また、「たばこの煙を吸うとかかりやすくなる病気(受動喫煙でかかりやすくなる病気)」は、肺がん79.5%、妊娠への影響78.9%、ぜんそく64.1%、心臓病39.9%でした。
受動喫煙の影響については、血液中のコチニン(ニコチンが体内で変化した物質)の濃度を調べた結果も発表されています。それによると、家庭や職場で‘ほぼ毎日’受動喫煙の機会がある人のコチニン濃度は7.8ng/mLで、受動喫煙の機会がない人(2.5ng/mL)の3倍以上の濃度でした。受動喫煙の機会が‘時々’の人も3.5ng/mLでした。