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20歳以上の6人に1人は糖尿病かその予備軍 厚生労働省「平成14年 糖尿病実態調査の概要」より

カテゴリー: 糖尿病

 厚生労働省は8月6日、「平成14年 糖尿病実態調査」の速報分を発表しました。平成9年に続く2回めの調査で、調査対象は20歳以上の5,792人で、男性2,369人、女性3,423人。20歳代が465人、30代が764人、40代836人、50代1,210人、60代1,282人、70歳以上1,235人です。

 調査結果から、‘糖尿病が強く疑われる人’(HbA1Cが6.1%以上か、現在治療を受けている人)は全体の9.0%、‘糖尿病の可能性を否定できない人’(HbA1Cが5.6%以上6.1%未満で現在治療を受けていない人)は10.6%が該当することがわかり、これを現在の人口にあてはめると、‘糖尿病が強く疑われる人’は約740万人と推計されます。前回調査の約690万人よりやや増加しています。一方‘糖尿病の可能性を否定できない人’は約880万人と推計され、前回調査(約680万人)から5年間で200万人も増えています。両者を合計すると約1,620万人で、成人の6人に1人は糖尿病かその予備軍であることがわかります。

 糖尿病の予防や治療に関する情報源については、男性は、テレビ・ラジオ63.7%、新聞33.0%、病院・診療所25.8%、健診・人間ドック25.2%、友人・知人24.8%、雑誌・本23.8%などの順で、女性は、テレビ・ラジオ74.1%、新聞35.9%、雑誌・本33.1%、友人・知人31.3%、病院・診療所20.8%、健診・人間ドック16.7%などとなっています。

 糖尿病に関係する記述について、それが正しいか間違っているかを尋ねた質問では、「軽い糖尿病の人でも、狭心症や心筋梗塞などの心臓病になりやすい」に対し46.1%の人が‘わからない’と答えていて、予備軍に関しては情報があまり周知されていない状況が浮き彫りになりました。また、「糖尿病の人は、血圧が高い人が多い」にも41.1%が、「糖尿病の人は、傷が治りにくい」に39.1%の人が‘わからない’と答えています。「太っていると、糖尿病になりやすい」に対しては、57.9%が‘正しい’と答えた反面、‘間違っている’と答えた人も24.0%にのぼりました。

 治療状況に関する質問では、糖尿病が強く疑われる人’のうち50.6%が現在治療を受けていて、前回調査の45.0%からやや向上しました。なお、治療を受けていない人は41.9%、治療を中断した人は7..5%でした。また、‘糖尿病が強く疑われる人’のうち健診を受けたことがある人の半数以上は現在も治療を受けている一方で、健診を受けたことがない人では89.4%が治療を受けておらず、自覚症状の乏しい糖尿病では、住民健診や職場健診が治療を始めるうえで欠かせないことがわかります。

 合併症の頻度については、現在治療を受けている人のうち、神経障害は15.6%、腎症は15.2%、網膜症は13.1%、足の壊疽は1.6%の人にみられました。また、‘糖尿病が強く疑われる人’の15.8%に心臓病が、7.9%に脳卒中があり、‘糖尿病の可能性を否定できない人’でも 10.0%に心臓病が、5.3%に脳卒中がありました。

●詳しくは、厚生労働省のホームページへ→トップページ記事掲載ページ

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