2021年08月13日
【健やか21】妊娠中のオメガ3系脂肪酸摂取量が多いと出産後の不適切養育行動が軽減(富山大学)
キーワード: 女性の健康
富山大学の研究グループは、妊娠中にお母さんがオメガ3系脂肪酸(青魚に多く含まれるDHAやEPAなど)を多く摂っていると、生まれてきた子どもに対して不適切養育行動(叩く、激しく揺さぶる、家に一人で放置する)を取るリスクが低くなることを明らかにしました。
2017年のユニセフの報告書によると、世界の2〜4歳における子どものうち4人に3人(3億人)が、母親などの養育者から定期的に虐待を受けているとされています。そのような虐待行為の要因に介入し対処することは容易ではありません。本研究では、比較的取り組みやすい要因でありながら、これまでほとんど注目されてこなかった妊娠中のオメガ3系脂肪酸の摂取量に注目し、生まれた子どもに対する母親の養育行動との関連性を調査・検証したものです。
オメガ3系脂肪酸には暴力的・攻撃的な行動を抑制する効果だけでなく、動物においては母獣の養育行動を促す効果があると知られています。しかし、妊娠中の母親のオメガ3系脂肪酸摂取量と、生まれてきた子どもに対する、虐待やネグレクトになりかねない「不適切養育行動」との関係に当てはまるかについては知られていませんでした。
今回の研究結果は、92,191人の妊婦さんを対象とし、妊娠中のオメガ3系脂肪酸の摂取量と母親による生まれた子どもへの不適切養育行動との関連性を明らかにした画期的な内容です。この結果より、妊娠中にお母さんがオメガ3系脂肪酸を積極的に摂取することで、子どもへの身体的虐待やネグレクト行動を減らせる可能性が示唆されました。
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