講師:吉本 尚 先生
筑波大学医学医療系 准教授・筑波大学健幸ライフスタイル開発研究センター長
略歴:2004年筑波大学医学専門学群(現在、医学群医学類)卒業、2014年筑波大学医学医療系地域医療教育学 講師を経て、2015年より北茨城市民病院附属家庭医療センター(兼任)、2018年より筑波大学医学医療系 准教授、2022年より筑波大学健幸ライフスタイル開発研究センター センター長。2024年厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」作成検討会委員。TV出演:NHK「あしたが変わるトリセツショー」(お酒とのつきあいかた)2024年12月、ほか
【講演要旨】吉本 尚先生に「少酒」にまつわる7つのトピックスと、8つの疑問をご解説いただきました。
―生活習慣病のリスクを高める飲酒をしている方は、成人で約1,000万人。男性の割合は横ばいだが、女性は30代以降60代で平均より増えており、20代では女性の割合が男性より高い。
―①飲酒量の把握の仕方、②お酒の健康リスク、③健康に配慮したお酒の飲み方という、大きく3つのポイントがある。
―お酒の影響を受けやすい要因は「年齢」「性別」「体質」の3つ。お酒を飲む場合はこれらを加味しながら、自分の酒量をみきわめることが大切。
―生まれつきのアルコールを分解する酵素の働きにより、「お酒に強いか弱いか」という体質は決まっている。簡単に体質を知るための方法として「簡易フラッシング質問紙法」を紹介。
―飲み過ぎと関係する病気についてのアンケート調査の結果では、男女差はなく、肝硬変や肝がんといった肝臓に関する認識が圧倒的だった。しかし、飲み過ぎで生じる健康リスクは、あらゆる病気に及ぶ。
―とくに高血圧、脂質異常症、肝機能障害が挙げられるが、早期の積極的な減酒指導で、着実な改善効果が得られている。
―最近注目されているのがノンアルコール飲料を活用した減酒指導。筑波大学では、世界で初めてノンアルコール飲料による減酒指導の実証研究を行った。
●休肝日はどれくらい作ったらよいですか? ●ついつい飲みたくなるきっかけ~HALTとは? ●アルコールと肥満の関係は? ●アルコールとやせメタボの関係は? ●アルコールとフレイルの関係は? ●アルコールと非アルコール性肝障害(脂肪性肝障害)の関係は? ●アルコールと睡眠の質との関係は? ●ノンアルコール飲料と健康との関係は?
全国生活習慣病予防月間では、これまで2回(2012年、2019年)少酒をテーマとして取り上げました。
それぞれの「スローガン川柳(少酒)入賞作品」や市民公開講演会の記録などをご覧いただけます。