禁煙指導の専門家から
『紫煙の怖さと生活習慣病予防』
中央内科クリニック院長 村松 弘康 先生
1. 日本人の喫煙状況
日本たばこ産業(JT)による昨年8月の発表では、「日本人の喫煙率」は成人男女あわせて23.9%(前年比1.0ポイント減)、男性のみでは36.6%(前年比2.3ポイント減)、女性では12.1%(前年比0.2ポイント増)という結果でした。男性の喫煙率は若干減少してはいるものの、他の先進諸国ではすでに20%を切っており、依然として高い状況です。女性においては、若者を中心に近年増加傾向にあり、妊娠・出産前あるいは育児中の女性が喫煙することは、我が国にとって大きな問題となっています。
さらに、日本では、医療従事者の喫煙率も高く、男性医師の喫煙率は15%と、欧米の医師(米国男性医師3%、英国男性医師2%)に比べて極めて高いのが現状です。また、看護師においても、一般女性の平均値(12%)をしのいで約20%と、患者指導を行う立場にある医療従事者への禁煙教育もまた、緊縛の課題と言えるでしょう。
日本は世界でも喫煙率が高い国
―男女別喫煙率の国際比較―
注)15歳以上の毎日喫煙者の比率。1999〜2006年の統計。出典:OECD Health Data 2007
―男女別喫煙率の国際比較―
注)15歳以上の毎日喫煙者の比率。1999〜2006年の統計。出典:OECD Health Data 2007