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犬の散歩は糖尿病予防のための「運動」になる? 糖尿病の犬の飼い主は糖尿病リスクが高い

キーワード: 脂質異常症(高脂血症) 一無・二少・三多 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす 「多接」多様なつながり 孤立・孤独 身体活動・運動不足

 糖尿病の犬の飼い主は、糖尿病のリスクが高いという調査結果を、スウェーデンのウプサラ大学などが発表した。
 糖尿病の犬を飼っている人は、飼い犬が糖尿病でない人に比べ、2型糖尿病の発症リスクが38%も高いという。
 犬を散歩させる習慣のある人は、運動量が多く、座ったまま過ごす時間も少ないという調査結果も発表されている。
糖尿病の犬の飼い主は糖尿病リスクが高い
 糖尿病のある犬の飼い主は、糖尿病のない犬の飼い主に比べ、2型糖尿病を発症する可能性が高くなることが、スウェーデンのウプサラ大学などによる、20万8,980人の犬の飼い主と、12万3,566人の猫の飼い主を対象とした大規模調査で明らかになった。

 研究は、ウプサラ大学、スウェーデン農科大学、カロリンスカ研究所、リバプール大学によるもの。研究成果は、医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル」に掲載された。

 研究グループは、スウェーデン人獣医保険記録と健康記録をもとに、2004年1月〜2006年12月にペットとその飼い主を対象に調査した。

 その結果、糖尿病のない犬の飼い主に比べ、糖尿病のある犬の飼い主は、2型糖尿病のリスクが38%増加することが明らかになった。

 さらに、飼い主が2型糖尿病であると、飼い犬も糖尿病を発症するリスクが28%上昇することも分かった。飼い猫については、こうした関連はみられなかった。
飼い犬が糖尿病であることは「危険信号」
 「歴史をみると、人間と犬は1万5,000年以上も一緒に暮らしており、良い生活習慣も悪い生活習慣も共有しています。2型糖尿病になりやすい生活習慣や環境要因も共有している可能性があります」と、ウプサラ大学分子疫学のトーブ フォール教授は言う。

 「犬とその飼い主は、同じ家に住み、同じような行動上のリスクをもっています。犬の飼い主と飼い犬は、身体活動パターン、食習慣、肥満リスクなどを共にしている可能性があります」と、ウプサラ大学疫学部の研究員であるベアトリス ケネディ氏は述べている。

 「現代社会では、多くの人が運動不足におちいっています。身体活動量の多い飼い主が飼っている犬は、活発に身体活動をしているとう調査結果もあります。運動や身体活動によって、飼い主のペットの双方で、血糖を下げるインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性が抑制され、それが2型糖尿病のリスク低下につながっている可能性があります」。

 「飼い犬が糖尿病であることは、飼い主にも糖尿病の危険が迫っていることを知らせていると考えられます」と、ケネディ氏は言う。
「犬の散歩」は侮れない 立派な運動療法に
 英国の研究では、犬を飼い定期的に運動させることは、飼い主の身体活動レベルの低下を防ぐ、効果的な方法となることが明らかになっている。

 イーストアングリア大学食事・運動・研究センターやケンブリッジ大学の研究チームは、49〜91歳の男女3,123人を対象に、犬を飼っているかどうか、そして犬の散歩をするかどうかについて調査した。さらに、これらの参加者に活動量計を7日間装着してもらい、身体活動レベルを測定した。

 その結果、犬の散歩を行う人はそうでない人に比べ、身体活動量が多く、さらに座業中心の時間も短い傾向があることが分かった。犬を飼っている人は平均で1日あたり30分間の散歩をしていたという。
犬の散歩は運動教室よりも効果がある?
 さらに、天候が悪くても、犬を散歩させる習慣のある人は、そうでない人に比べて、身体活動量が多い傾向があることも分かった。日照時間が短く気温が低い冬にも、犬を散歩させることで、身体活動量の減少を防げられていた。

 天候が悪い場合には、多くの人は座ったままの時間が増え、身体活動量が低下するが、犬を散歩させる習慣のある人は比較的その影響を受けにくいという。

 「犬を飼っている人はそうでない人に比べ、天候が悪く気温が低い冬にも、犬の散歩をしていることが分かりました。気温が上昇し晴れの日が多い夏にも、犬を飼っている人では、運動教室などによる介入でみられる以上に、運動量が増える傾向がみられました」と、イーストアングリア大学医学部のアンディ ジョーンズ教授は言う。

犬を散歩させることで身体活動量を増やせるかを調査(イーストアングリア大学)

犬の散歩が運動不足の解消をもたらす
 「犬に散歩をさせることは、動物福祉の観点で重要ですが、それだけでなく、飼い主に運動不足の解消という恩恵をもたらしている可能性があります」と、マサチューセッツ大学運動生理学のケイティ ビコフスキー教授は言う。

 犬を毎日散歩させる習慣のある人は、必要な運動の目安とされる「週に150分の適度な運動」をクリアしていることが多いという。一方で、犬を散歩させない飼い主も、全体の約40%に上るという調査結果がある。

 ビコフスキー教授らは、犬を散歩させる習慣のない飼い主30人を対象に、6週間の「犬の肥満対策クラス」に参加させる実験を行った。

 参加者には、「犬の行動を改善することがクラスの目的」だと説明したが、真の目的は、犬を散歩させる時間を増やすことで、飼い主が運動をする時間を増やせるかを確かめることだった。
散歩をさせると犬との絆も深まる
 その結果、クラスの受講者が散歩する時間は、週当たり数分長くなったことが、記録と活動量計のデータから判明した。さらに、受講者の大半は犬との絆が深まり、犬の行動にも満足できるようになったと答えた。

 「大喜びで迎えてくれる犬と一緒に過ごす時間には、魅力的な何かがあります。犬の散歩には、飼い主にもっと運動をする気を起こさせる可能性が秘められています」と、ビコフスキー教授は述べている。

 なお、ウプサラ大学によると、高齢の犬や去勢手術を受けていない雌犬で、糖尿病の発症率は高く、糖尿病を発症した犬は、生涯にわたりインスリン療法が必要になることが多い。犬にとっても糖尿病の危険因子は肥満で、スウェーデンの狩猟犬の品種に多いという。

犬を飼うことが飼い主の健康にどう影響するかを調査(マサチューセッツ大学)

Diabetes in dogs may indicate elevated risk of type 2 diabetes in their owners(ウプサラ大学 2020年12月11日)
The shared risk of diabetes between dog and cat owners and their pets: register based cohort study(ブリティッシュ メディカル ジャーナル 2020年12月10日)
Dog Walking For Wellbeing(イーストアングリア大学 2020年9月14日)
Dog ownership supports the maintenance of physical activity during poor weather in older English adults: cross-sectional results from the EPIC Norfolk cohort(Journal of Epidemiology and Community Health 2017年7月24日)
マサチューセッツ大学行動医学研究室
[Terahata]

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