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ウーロン茶を飲むと「脂肪燃焼」が促される 肥満の抑制効果を期待 カフェイン以外が作用か

キーワード: 二少(少食・少酒) 脂質異常症(高脂血症) 一無・二少・三多 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 脂肪肝/NAFLD/NASH 「少食」食事は腹7~8分目 食生活

 筑波大学が、ウーロン茶やカフェイン飲料を朝・昼に飲むと、睡眠を妨げずに1日の脂肪燃焼が促進されることを確認。
 健常男性12人を対象とした2週間の試験では、睡眠時の脂肪燃焼を促す効果は、ウーロン茶摂取の方がカフェイン摂取よりも大きかった。
 今後はウーロン茶に含まれるカフェイン以外の成分(重合ポリフェノール、カテキン類、没食子酸)の作用の解析が必要としている。
緑茶・ウーロン茶・コーヒー・紅茶 お茶の健康効果はすべては解明されていない
 茶の⽣葉を乾燥・発酵させてつくる過程の発酵度合いの違いによって、緑茶、ウーロン茶、紅茶などのさまざまな種類のお茶が作られ、それぞれの成分も異なる。

 ウーロン茶にはカテキン類が重合して⽣成する重合ポリフェノールが多く含まれている。お茶に含まれるカフェイン、カテキンおよび重合ポリフェノールなどが、エネルギー代謝に与える効果について、これまでに多くの研究が報告されてきた。

 しかし、飲⽤習慣を考慮すると、お茶の摂取を繰り返した場合の効果を評価することがより重要となる。

 また、睡眠時間と体重には関連がある。そのため、⾷品素材の検討には、睡眠に対する影響もあわせて⾏うことが重要だ。

 2018年度国⺠健康・栄養調査によると、20歳以上の男性3⼈に1⼈、⼥性5⼈に1⼈が肥満で、5⼈に1⼈が何らかの睡眠障害を抱えている。睡眠不⾜は体重増加と関係しており、睡眠時間の短い者は体重が重い傾向がある。

 睡眠とエネルギー代謝の制御は調節因⼦を共有して協調していることから、エネルギー代謝に影響することが予想される⾷品素材を検討するときには、睡眠に対する影響も考えることが重要となる。
ウーロン茶を⽇中に飲むと睡眠時の脂肪燃焼が促進される
 そこで、筑波大学の研究グループは、ウーロン茶の習慣的な摂取が24時間のエネルギー代謝と睡眠に及ぼす効果を、プラセボおよびカフェインのみを含有した飲料と⽐較して検証した。

 研究は、筑波⼤学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の徳⼭薫平教授らによるもので、研究成果は科学誌「Nutrients」に掲載された。

 被験者に2週間にわたり朝⾷と昼⾷時にウーロン茶あるいはカフェインを飲んでもらい、2週間後にエネルギー代謝と睡眠を測定した。

 なお、⻑時間にわたるエネルギー消費を測定するために、専⽤の代謝測定室(ヒューマン・カロリメーター)を⽤いた間接熱量測定を⾏い、睡眠時も含めた1⽇のエネルギー代謝を、⾼時間分解能で測定した。

 「ヒューマン・カロリメーター」は、酸素摂取と⼆酸化炭素産⽣から、エネルギー消費量や、体内で燃焼している脂肪や炭⽔化物などを測定するための代謝測定⽤の密閉室。

 3〜4畳程度の床⾯積の室内に机、トイレ、寝台などを設置し、⾷事は⼆重扉を介して外から供給される。呼気を採取するためにマスクなどを装着する必要がなく、⾷事中や睡眠時も含めた⻑時間のエネルギー代謝測定が可能となる。

 研究グループは、健常の男性12名を被験者とし、⼆重盲検ランダム化⽐較試験を⾏った。被験者に3種類の飲料を、毎⽇それぞれを朝⾷と昼⾷時に摂取してもらい、2週間⽬に睡眠と1⽇のエネルギー代謝を測定した。

 被験者が摂取した3種類の飲料は以下の通り――。

ウーロン茶(カフェイン51.8mg、重合ポリフェノール62.3mg、カテキン類48.5mg、没⾷⼦酸10.7mg、市販ウーロン茶350mL相当量)
カフェイン(51.8mg)
プラセボ飲料

 睡眠脳波の測定では、睡眠中の脳波測定から、⼊眠潜時(寝つきの良さ)、深睡眠(深い睡眠の量)、レム睡眠などを判定して、睡眠の質と量を評価した。
脂肪燃焼を促す効果はウーロン茶でより強い 肥満防⽌の効果を検証
睡眠時の呼吸商の経時変化

昼⾷後しばらく経った時間帯や睡眠時において、プラセボ試⾏(灰⾊)に⽐べてカフェイン(⿊)や烏⿓茶摂取試⾏(⾚)の呼吸商が低値となり、体内で脂肪燃焼が進んでいることが⽰された。
出典:筑波⼤学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)、2020年

 その結果、プラセボ飲料の効果と⽐較すると、ウーロン茶やカフェイン飲料350mLを朝昼2回飲んだ場合、睡眠を妨げずに、1⽇の脂肪燃焼が促進されることが明らかになった。

 また、1⽇のエネルギー消費は、"ウーロン茶"、"カフェインのみ"、"プラセボ"とのあいだで差はみられなかったが、1⽇の脂肪酸化量は増⼤した。

 ウーロン茶とカフェインが脂肪燃焼を増やす効果は、睡眠時にもみられたが、いずれの場合にも睡眠が阻害されることはなかった。

 とくに興味深いのは、脂肪燃焼を促す効果は、ウーロン茶の⽅がカフェインよりも⼤きく、とりわけ睡眠時でその効果が顕著なことだった。このことは、⾷品素材がエネルギー代謝に与える効果を検証するときには、睡眠時も含めた⻑時間の測定が重要であることを⽰唆している。

 ウーロン茶の脂肪燃焼は、睡眠時により⼤きな効果がみられた。⽇中は、⾷事摂取にともなう⾎糖とインスリンの上昇によって脂肪燃焼が強く抑えられるため、ウーロン茶の脂肪燃焼を刺激する作⽤が睡眠時にあらわれたと考えられる。

 睡眠時エネルギー代謝の測定は⾷品素材の効果を検証する際にも重要であることも⽰唆された。

 「ウーロン茶摂取とカフェイン摂取の脂肪燃焼効果に差が認められたことから、今後、ウーロン茶に含まれるカフェイン以外の成分(重合ポリフェノール、カテキン類、没⾷⼦酸)の代謝調節作⽤の解析が必要です。さらに、⻑期間の習慣的な摂取と肥満防⽌の効果との関連についての検討も、課題として残されています」と、研究者は述べている。

筑波⼤学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)
Subacute ingestion of caffeine and oolong tea increases fat oxidation without affecting energy expenditure and sleep architecture: a randomized, placebo-controlled, double-blinded cross-over trial(Nutrients 2020年11⽉28⽇)
[Terahata]

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