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産後のメンタルヘルス不調で苦しんでいる夫婦は年間3万組 初の全国調査で判明 成育医療センター

キーワード: 一無・二少・三多 ストレス関連疾患/適応障害 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる 「多接」多様なつながり 孤立・孤独 疲労(休養不足)

 国立成育医療研究センターは、産後1年間で、夫婦が同時期に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定された世帯は全体の3.4%に達することを明らかにした。
 2019年の出生数86.5万人をもとに推計すると、夫婦が同時期に苦しんでいる可能性のある世帯は3万世帯弱に上る。
産後のケアや支援は、母子だけでなく父親も対象に含めることが重要
 近年の国内外の研究で、産後は母親だけでなく父親もメンタルヘルスの不調になりやすい時期であることが分かってきた。

 夫婦が同時期にメンタルヘルスの不調になってしまうと、養育環境は著しく悪化しやすくなり、その世帯全体に大きな影響が生じる。

 そうした状況を防ぐためにも、「産後のケアや支援の対象は母子だけに限定するのではなく、父親も含めた世帯全体を対象にして、アセスメントしていくことが重要と考えられます」と、研究グループは述べている。

 研究は、国立成育医療研究センターの所竹原健二室長、加藤承彦室長、須藤茉衣子研究員の研究グループによるもの。研究成果は、科学誌「Scientific Reports」に掲載された。
父親のメンタルヘルスに関するデータも含めた初の全国調査
 調査は、厚生労働省が実施している国民生活基礎調査の2016年のデータから、生後1歳未満の子どものいるふたり親家庭3,514世帯を抽出して行ったもの。

 これまで、産後のメンタルヘルスの不調の発生頻度やリスク因子、その不調がもたらす悪影響などについて、父親か母親のいずれかを対象とした研究が多く実施されてきた。

 しかし、夫婦を対象に世帯単位でメンタルヘルスの状態を評価する研究は少なかった。今回の研究は、産後の世帯単位で調べ、父親のメンタルヘルスに関する全国規模のデータを用いたはじめての調査となる。

 研究グループは、メンタルヘルスの評価ツールであるK6という指標を用いて、夫婦が同時期に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定される世帯の実態を調査した。
働き方改革が急務 父親も含めた世帯全体に支援を
中程度以上のメンタルヘルスの不調リスクがあると判定された父親・母親・世帯の割合
出典:国立成育医療研究センター、2020年

 その結果、夫婦が同時期に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定される世帯は全体の3.4%に上った。2019年の出生数86.5万人を基準に推計すると、一時的な不調も含めて、夫婦が同時期に苦しんでいる可能性のある世帯は3万世帯弱になる。

 また、夫婦が同時期に「メンタルヘルスの不調のリスクあり」と判定される要因として、▼父親の長時間労働、▼母親の睡眠不足、▼子供の月齢(6〜12ヵ月の方が0〜5ヵ月よりもリスクが高い)、▼世帯支出の多さ――などが示唆された。

 夫婦が同時期にメンタルヘルスの不調になるのを防ぐためにも、産後のケアや支援の対象は母子だけに限定しないで、父親も含めた世帯全体を対象に、アセスメントしていくことが重要と考えられる。

 近年、日本では働き方改革の議論が進み始めているが、「とくに子供が幼い時期は、父親の長時間労働が母親や子どもの健康や成長に影響を与える可能性があり、さらなる改革が急務であると考えられます」と、研究グループは述べている。

 2020年度から厚生労働省は父親支援に関する研究班を設置し、研究グループはその班員として活動している。「少しでも父親支援が推進できるような知見を提供できるよう努めていきます」としている。

国立成育医療研究センター
Parental psychological distress in the postnatal period in Japan: apopulation based analysis of a national cross sectional survey(Scientific Reports 2020年8月13日)
[Terahata]

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