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外食が肥満や糖尿病の原因? ファストフードにカロリーを表示すれば医療費を減らせる

キーワード: 二少(少食・少酒) 脂質異常症(高脂血症) 一無・二少・三多 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 「少食」食事は腹7~8分目 食生活

 ファストフードのイメージは世界共通だ。早い、安い、うまい、そして不健康。
 外食のメニューにカロリーを表示するだけで、消費者が健康的な食品を選べるようになり、肥満や糖尿病の医療費を大幅に減らせる可能性があるという研究が発表された。
外食の多くは不健康
 米タフツ大学栄養科学政策大学院の研究によると、米国人は食事で摂るカロリーの5分の1を外食で摂っている。しかし、外食の多くは高脂肪・高糖質・高カロリーという傾向があり、栄養価が低く、肥満や2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などを増やす原因になっているという。

 研究グループは、全国健康栄養調査(NHANES)の2003〜2016年のデータから、3万5,000人以上のデータを解析した。その結果、米国人は総カロリー摂取量の21%を外食で摂っていることが分かった。

 さらに、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドチキン、サンドイッチ、ピザなどのファストフードの70%は栄養価が低いと評価された。

 ファストフードを提供する企業も、健康的なメニューを増やすなど対策をしており、2003〜2004年の調査の75%から少し改善しているものの、依然として米国人の食生活の質の低下に影響していることが示された。

 「外食の質を向上し健康的な食事を選べるようにすれば、栄養摂取状況を大きく改善できます。多くの人が外食を利用しており、外食の栄養の質を高め、食事の楽しみと便利さを両立できるようにすることが求められています」と、同大学院栄養学部部長のダーリウーシュ モザファリアン氏は言う。
ファストフードを健康的に変える必要が
 食事の栄養摂取に格差が生まれていることも明らかになった。栄養価の低いファストフードを利用している割合は、アフリカ系やヒスパニック系などの社会的少数者や、教育の水準の低い人で比較的高かった。

 「外食の栄養価を高めるために、全粒穀物、魚、大豆類、野菜、果物、ナッツなどの健康的な食品を増やし、塩分を減らすことが必要です。とくに塩分はファストフードに多く含まれ、減塩を求められているのもかかわらず何年も改善していません」と、同大学院のジョンジュ リュー氏は言う。

 「健康増進のために食事の改善は欠かせません。そのために、国民が健康的な食品を見分けられるようにすることと、外食のメニューでその情報を提供することが必要です。外食産業、消費者、市民団体、政府などが協力して、この課題に取り組むべきです」。
メニューのカロリー表示が健康や経済にメリット
 米タフツ大学栄養科学政策大学院のもう1つの研究では、外食店のメニューにカロリー表示をするだけでも、人々は健康的な食事を選べるようになり、心血管疾患や2型糖尿病を減少できる可能性があるというものだ。

 米食品医薬品局(FDA)は2018年より、20店舗以上の飲食店チェーンを対象に、メニューにカロリーを表示すること義務付けている。

 研究グループは、NHANESの2009〜2016年の35〜80歳の男女のデータを解析し、コンピューターの予測モデルにもとづく研究を実施。食事を改善することで、生活習慣病の負担をどれだけ減らせるかをシミュレートした。

 その結果、メニューにカロリーを表示し、消費者が低カロリーの料理を選べる習慣が根付けば、心血管疾患を13万5,781件、2型糖尿病を9万9,736件、それぞれ減少できることが示された。

 さらに、肥満を減少することで、医療費を1兆1,150億円(104億ドル)、また生産性の低下などによる社会的負担も1兆3,600億円(127億ドル)削減できるという。
コロナの影響は食生活にも及んでいる
 さらに、外食産業がメニューのカロリー表示に併せて、低カロリーのメニューの数を増やしたり、1食のボリュームを減らすなどの対策をした場合、健康増進の利益はさらに大きくなることも判明した。

 「レストランのレシピにささやかな変更を加えただけで、大きな違いが生じる可能性があります。加えて消費者が外食でより健康的な食事を選べるようにすることで、医療費や健康面で得られる利益は2倍にもなるのです」と、リュー氏は言う。

 一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、外食のメニューのカロリー表示を促す運動が中断してしまっている現状も指摘している。

 「感染症による急速に広がるパンデミックと、肥満や生活習慣病などによる徐々に広がるパンデミックが重なる状況に直面しています。確実に言えることは、COVID-19により国民に健康的な食品を提供する重要性がますます強まっていることです」と、モザファリアン氏は指摘する。

 モザファリアン氏によると、2型糖尿病や高血圧、肥満、心血管疾患などは食事の影響を受けやすいが、これらの疾患はCOVID-19に感染した場合の重症化リスクも高めるという。食事を改善することは、COVID-19に対策するためにも重要だ。

 「COVID-19を含めたほとんどの疾患で食事は重要です。すべての食品について、消費者が簡単にカロリーや栄養をチェックし、それをもとに食事をコントロールできるようにするのが理想的です。対策が遅れれば負担は増大していきます」としている。

On the menu: Study says dining out is a recipe for unhealthy eating for most Americans: 14-year trend shows worsening disparities in meal quality for some groups(タフツ大学 2020年1月29日)
Quality of Meals Consumed by US Adults at Full-Service and Fast-Food Restaurants, 2003-2016: Persistent Low Quality and Widening Disparities(The Journal of Nutrition 2020年1月29日)
Calorie data on menus could generate significant health, economic benefits(米国心臓学会 2020年6月4日)
Health and Economic Impacts of the National Menu Calorie Labeling Law in the United States: A Microsimulation Study(Cardiovascular Quality and Outcomes 2020年6月4日)
[Terahata]

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