一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 肥満症/メタボリックシンドローム 骨粗鬆症/ロコモティブシンドローム/サルコペニア 「無煙」喫煙は万病の元 「少酒」お酒はほどほどに 「少食」食事は腹7~8分目 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす

 肥満やメタボに対策することで、フレイルを予防できる可能性がある。
 「適正体重を維持する、運動をする、たばこを吸わない――こうした生活スタイルを維持することで、フレイルのリスクを劇的に減らすことができます。逆に、運動不足で喫煙をしている人はフレイルのリスクが高いことを自覚するべきです」と、研究者は述べている。
フレイルをいかに防ぐかが課題
 肥満を解消し、運動を習慣として行い座位時間を減らし、禁煙の成功率を向上する介入により、フレイルのリスクを減少できる可能性があるという研究を英国のデ モントフォート大学が発表した。

 フレイルは、加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下し、いくつかの慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身が脆弱になった状態。多くの高齢者は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられている。

 しかし、適切な介入・支援により、生活機能は向上できると考えられている。フレイルをいかに防ぐかという研究が世界中で行われている。
運動不足で喫煙している高齢者はフレイルの可能性が高い
 研究チームは、「英国加齢縦断研究(ELSA)」に参加した50歳以上の男女を対象に、健康状態、障害の程度、認知機能、聴力、視力、うつ症状、日常動作などから56項目からなるフレイルインデックスを作成し、8,780人を12年間追跡した調査データから、フレイルの発症について線形回帰モデルを用いて解析した。

 その結果、65歳以上の高齢者の約10%がフレイルであることが分かった。さらに、加齢はフレイルのもっとも大きい危険因子だが、肥満と喫煙習慣がそれを増強することも明らかになった。

 67歳の時点で、座りきりの生活をしており運動不足が日常化しており、喫煙習慣のある人は、79歳を過ぎるとフレイルになる可能性が59%に達する。反対に、運動をする習慣をもち、喫煙しない人は、フレイルの可能性を22%に抑えられることも示された。
肥満はフレイルの大きな危険因子
 英国のユニヴァーシティ カレッジ ロンドンが6,000人の中年成人を対象とした調査でも、肥満はフレイルの大きな危険因子であることが示されてている。フレイルになるリスクは、標準体重の人では2.7%だが、肥満の人では7.9%に上昇する。

 また、運動不足もフレイルの危険因子だ。座ったままの時間の長い生活をしている人のフレイルになるリスクは6.2%。活発に体を動かしている人のリスクが2.5〜3.5%であるのに対し大幅に高い。

 さらに、喫煙習慣のある人のフレイルのリスクは5.4%で、喫煙しない人の3.5%より高い。

 そのほか、加齢にともない起こりやすい慢性炎症もフレイルの危険因子だ。炎症性サイトカインであるインターロイキン-6(IL-6)の値が高かったり、体の炎症反応を示すC反応性タンパク(CRP)の値が高いと、フレイルになる可能性は高まる。
生活改善でフレイルのリスクを劇的に減少
 ウォーキングなどの運動を習慣として行うことで、肥満を予防できる。運動や身体活動は骨量と筋肉機能を改善し、転倒の危険性を低下させる。高齢者の転倒は介護や寝たきりの原因になる。また、健康的な食事を摂り、必要な栄養素を十分に摂取していれば、変形性関節症などの関節炎のリスクが低下する。

 また、喫煙は動脈硬化を促進し、心臓病や脳卒中、肺がんなど、さまざまな致命的な病気の原因になり、「死の連鎖」を引き起こす。

 「肥満のある人は体重を減らし、もっと体を活発に動かすようにし、たばこを吸うのを止め、生活スタイルを改善すれば、フレイルのリスクを劇的に減らすことができます。しかし、運動不足で、喫煙習慣のある人は、フレイルのリスクは2倍に上昇します」と、デ・モントフォート大学健康・ヘルスサイエンス学部のニルス ニーダーシュトラッサー氏は述べている。

Study suggests interventions against frailty(PLOS 2019年10月30日)
Determinants of frailty development and progression using a multidimensional frailty index: Evidence from the English Longitudinal Study of Ageing(PLOS ONE 2019年10月30日)
Uncovering clues to a healthy retirement - and it's not all lifestyle(ニヴァーシティ カレッジ ロンドン 2018年6月28日)
Midlife contributors to socioeconomic differences in frailty during later life: a prospective cohort study(Lancet Public Health 2018年7月1日)
[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年12月15日
「早食い」は肥満や体重増加につながる ゆっくり味わって食べるとエネルギー消費量を増やせる
2021年12月10日
肥満は糖尿病の人にとって大敵 体重をコントロールして糖尿病を改善 成功するためのコツは?
2021年11月10日
新型コロナウイルス感染拡大の陰で起きている体調変化や生活習慣に関する最新調査
2021年10月19日
【新型コロナ】糖尿病と肥満の人はなぜ重症化しやすい? 感染と重症化を防ぐためにこれが必要
2021年10月01日
肥満の人は日常生活動作(ADL)が低下しやすい 健康寿命も短縮 若い頃から健康な生活で対策を

一無・二少・三多 ▶ 「無煙」喫煙は万病の元

2021年05月17日
5月31日は世界禁煙デー、6月6日まで禁煙週間
禁煙で新型コロナに負けないカラダになろう!
2021年01月15日
喫煙が「排尿症状」の悪化の要因に とくに若年男性でタバコの悪影響は深刻 世界初の大規模研究を実施
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
2021年04月16日
中学生でも肥満だと代謝異常リスクが3倍に上昇 女子中学生では軽度の過体重でも高血圧のリスクが
2021年04月16日
世界肥満デー 世界の20億人が肥満か過体重 2025年までに世界の成人の5人に1人が肥満に

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー

疾患 ▶ 骨粗鬆症/ロコモティブシンドローム/サルコペニア

2021年12月13日
糖尿病の人は筋肉の減少に注意 筋肉が減る「サルコペニア」は早期に対策すれば防げる
2021年10月25日
世界骨粗鬆症デー 糖尿病の人は骨折に注意 40歳過ぎたら骨を強くする対策を
2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
歩く人にやさしい町づくりで認知症リスクを半分に減らす 歩きたくなる町をデザイン クルマ中心からヒト中心の空間に

一無・二少・三多 ▶ 「少酒」お酒はほどほどに

2021年10月08日
11月10日〜16日はアルコ―ル関連問題啓発週間です。飲酒と健康に関する講演会は誰でも視聴可能!
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
2021年04月16日
女性が多量飲酒をすると乳がんリスクが1.7倍に上昇 女性ホルモンが影響か 日本人女性16万人対象の大規模調査
2021年03月11日
女性が多量飲酒をすると乳がんリスクが1.7倍に上昇 女性ホルモンが影響か 日本人女性16万人対象の大規模調査

一無・二少・三多 ▶ 「少食」食事は腹7~8分目

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
2021年04月16日
中学生でも肥満だと代謝異常リスクが3倍に上昇 女子中学生では軽度の過体重でも高血圧のリスクが
2021年04月16日
世界肥満デー 世界の20億人が肥満か過体重 2025年までに世界の成人の5人に1人が肥満に

一無・二少・三多 ▶ 「多動」身体を活発に動かす

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー

 ▶ 一無・二少・三多

2022年02月01日
こころの密を育てる―ネガティブになりがちな今だから「多くの人・こと・ものとつながる」
毎年2月は『全国生活習慣病予防月間』―Web講演会公開中!
2022年01月23日
1月23日は『一無、二少、三多の日』!
「一無、二少、三多」ピクトグラム公募結果と全国生活習慣病予防月間2022のご案内
2021年11月17日
全国生活習慣病予防月間2022実施概要決定! 
テーマは多接:多くの人・こと・ものとつながる!
2021年10月13日
昨年より生活満足度は低下、コロナ前後での比較検討も「満足度・生活の質に関する調査報告書2021」より
2021年10月04日
最優秀賞 25万円! 健康スローガン「一無、二少、三多」のピクトグラム公募
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート