一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

夜間に照明やテレビをつけたまま寝る女性は肥満になりやすい

キーワード: 脂質異常症(高脂血症) 一無・二少・三多 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 「多接」多様なつながり

 睡眠時には、部屋の明かりを消して暗くすることで、肥満リスクを軽減できる可能性があるという研究が発表された。
 就寝時に部屋を暗くすることで、女性が肥満や過体重になるリスクが減少する。
睡眠など生活スタイルが体重増加に関連
 部屋で明かりをつけっぱなしにしたり、テレビを見ながら眠ることが、体重増加や肥満のリスクを高めている可能性があるという研究を、米環境衛生科学研究所(NIEHS)が発表した。

 この研究は、夜間の人工光への曝露と女性の体重増加との関連性をはじめて明らかにしたもので、詳細は米国医師会が発行する医学誌「JAMA Internal Medicine」に発表された。

 食事や運動などの生活スタイルは体重コントロールに密接に関連している。世界では1970年代から肥満の割合はおよそ3倍に増えており、米国人の70%は肥満か過体重だと推定されている。個人的要因と社会的要因が複雑にからみあい、肥満の増加に影響している。

 食事と運動が肥満の増加に影響することは、すでに多くの研究で報告されているが、最近の研究では遺伝的要因や睡眠などの影響も指摘されている。

関連情報
電灯をつけっぱなしで寝る女性は肥満リスクが上昇
 研究は、国立環境衛生科学研究所が実施している、環境リスク要因と乳がんの発症との関連について調査しているコホート研究「シスター研究」に参加した、4万3,722人の女性(35〜74歳)を対象に行われた。

 参加者はがんや心血管疾患の既往歴がなく、夜勤や昼間の睡眠障害、妊娠した女性は含まれていなかった。質問票で、夜間の睡眠時に部屋の明かりやテレビをつけっぱなしにしているかを聞き、5年間の体重の推移や健康状態について調査した。

 その結果、寝室でテレビや電灯をつけっぱなしにしている女性は、睡眠中に部屋を暗くしている女性に比べ、5年間で体重が5kg以上増えるリスクが17%上昇し、BMIが10以上増えるリスクが13%上昇した。

 人工光の光源は、室内用照明や常夜灯、テレビ、時計付きラジオ、窓から差し込む街灯の光などさまざまだった。
夜間の照明やテレビが健康に影響
 「高カロリーで不健康な食事と、座りがちで運動不足が慢性化していることが、肥満の増加に影響しています。今回の研究はこれに加え、睡眠の質を高める必要性が明らかになりました。夜間の照明やテレビなどの人工光は、健康改善を計画するうえで無視できない要因です」と、論文著者のヨン-ムン パーク氏は言う。

 「都市環境に住んでいる人にとって、夜間に人工光を浴びるのは一般的なことです。しかし、街灯や店頭のネオンサインなどの光源は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌や、24時間周期の概日リズム(体内時計)を乱し、食事パターンに悪影響をもたらすおそれがあります」と、NIEHS社会・環境部の責任者であるチャンドラ ジャクソン氏は言う。

 研究者は、夜間に光にされされることが、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を刺激し食欲の調整を乱したり、代謝に関わるメカニズムに直接的に影響している可能性も指摘している。

 「ヒトは日中に日光を浴び、夜間は光から遠ざかるという自然環境に遺伝的に適応しています。夜間に人工光にさらされる生活スタイルが常態化すると、ホルモン分泌などの生物学的プロセスが変化し、肥満などの健康リスクを高める可能性があります」と、ジャクソン氏は説明している。
夜は部屋を暗くして眠るのが良い
 研究には限界があり、睡眠時の環境は自己申告にもとづき調査しており、また女性が室内で明かりをつけて眠るのを好む理由は不明で、そうした習慣が経時的に変化している可能性もある。

 「今回の研究は決定的なものではないにしろ、これまでの研究より明確なエビデンスを提示しています。良好な睡眠を得るために、照明やテレビを消して、スマートフォンなどの電子機器にさわらないようにし、部屋を暗くして眠ることをアドバイスするのは理にかなっています」と、パーク氏は言う。

 「就眠時に照明やテレビ、電子機器をもちこまない習慣を身につけるのは意外に難しいかもしれません。家族が照明をつけたままにしている場合や、密集した住宅地に住んでいる人は、部屋の外の明かりの量をコントロールするのが難しい場合もあります」と、パーク氏は付け加えている。

 「保健指導に携わる医療従事者は、人々の個人的な住環境に加えて、社会的環境の影響にも配慮する必要があります」と指摘している。

 研究チームは、住環境が体重に与える影響や、人工照明が高血圧や2型糖尿病などと関連しているかを、今後の研究で調査する計画をたてている。

Sleeping With Artificial Light at Night Associated With Weight Gain in Women(米国立環境衛生科学研究所 2019年6月10日)
Association of exposure to artificial light at night while sleeping with risk of obesity in women(JAMA Internal Medicine 2019年6月10日)
[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2022年01月26日
【新型コロナ】テレビばかり見ていると血栓症リスクが上昇 糖尿病の人は立ち上がって運動を
2022年01月20日
インターバルトレーニングが糖尿病の人の糖代謝を改善 速歩とゆっくり歩きを交互に 脂肪肝も解消
2022年01月20日
糖尿病は認知症リスクを高める 予備群の段階でリスクは上昇 認知症を防ぐ生活スタイルとは?
2022年01月19日
肉やソーセージを食べ過ぎると糖尿病リスクは上昇 植物性食品に置き換えるとリスクは減少
2022年01月13日
糖尿病の人は血糖値が高いと歯を失いやすい 歯の喪失をこうして防ぐ 予備群の段階からご注意

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年12月15日
「早食い」は肥満や体重増加につながる ゆっくり味わって食べるとエネルギー消費量を増やせる
2021年12月10日
肥満は糖尿病の人にとって大敵 体重をコントロールして糖尿病を改善 成功するためのコツは?
2021年11月10日
新型コロナウイルス感染拡大の陰で起きている体調変化や生活習慣に関する最新調査
2021年10月19日
【新型コロナ】糖尿病と肥満の人はなぜ重症化しやすい? 感染と重症化を防ぐためにこれが必要
2021年10月01日
肥満の人は日常生活動作(ADL)が低下しやすい 健康寿命も短縮 若い頃から健康な生活で対策を

疾患 ▶ 脂質異常症(高脂血症)

2021年07月28日
糖尿病はアルツハイマー病の危険因子 脳を活性化して予防 新しいことにもチャレンジ
2021年04月16日
人工知能(AI)により生活習慣病の将来リスクを予測 保健指導での意識・行動の改善に貢献 国際医療研究センターなどが共同研究
2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー

一無・二少・三多 ▶ 「多接」多様なつながり

2021年10月13日
昨年より生活満足度は低下、コロナ前後での比較検討も「満足度・生活の質に関する調査報告書2021」より
2021年05月11日
孤独・孤立と生活習慣病―健康には社会的接点が不可欠!
2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
母乳育児は母親の「産後うつ」を抑制 授乳時の赤ちゃんに対する働きかけにも効果 目を見て話しかけることが大切

 ▶ 一無・二少・三多

2022年02月01日
こころの密を育てる―ネガティブになりがちな今だから「多くの人・こと・ものとつながる」
毎年2月は『全国生活習慣病予防月間』―Web講演会公開中!
2022年01月23日
1月23日は『一無、二少、三多の日』!
「一無、二少、三多」ピクトグラム公募結果と全国生活習慣病予防月間2022のご案内
2021年11月17日
全国生活習慣病予防月間2022実施概要決定! 
テーマは多接:多くの人・こと・ものとつながる!
2021年10月13日
昨年より生活満足度は低下、コロナ前後での比較検討も「満足度・生活の質に関する調査報告書2021」より
2021年10月04日
最優秀賞 25万円! 健康スローガン「一無、二少、三多」のピクトグラム公募
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート