一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

「職場ストレス」がメタボの危険性を40%上昇 仕事の心理社会的要因とは

キーワード: 一無・二少・三多 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 「多接」多様なつながり

 職場のストレスを抱える労働者で、メタボリックシンドロームの危険性が上昇することを、北里大学と東京大学の研究グループが明らかにした。
 「労働者のメタボを予防するために、職場の環境を改善することが重要」と、研究者は述べている。
職場の心理社会的要因とメタボの関連を解明
 内臓肥満に、高血圧、高血糖、血中脂質異常などの症候が同時に重なったメタボリックシンドロームは働き盛りの世代に多い。メタボは、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患、2型糖尿病、全死亡などの重要なリスク要因となる。

 一方、▼仕事の量的負担が重い、▼裁量権がない、▼上司や同僚からの支援を得られない、▼交代制勤務、▼長時間労働などは、職場におけるストレスの原因(心理社会的要因)となる。

 北里大学と東京大学の研究グループは、職場の心理社会的要因とメタボの発症との関連を明らかにした。前向き研究に限定した質の高い研究をメタ分析した。

 研究は、北里大学医学部公衆衛生学の堤明純教授、東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の川上憲人教授および渡辺和広助教らの研究グループによるもので、医学誌「Obesity Reviews」に発表された。

関連情報
好ましくない心理社会的要因がメタボを1.4倍に増やす
 研究グループは今回、2016年12月までに公表され、職場の心理社会的要因とメタボの発症リスクとの関連を前向きに検討した観察研究の論文を系統的に検索。

 抽出した4,664件のうち条件を満たした8件の論文を対象にメタ解析を行い、これらの関連を検討した。

 その結果、職場での好ましくない心理社会的要因にさらされている労働者のメタボの発症は、そうでない労働者に比べて47%増加することが明らかになった(相対リスク1.47; 95%信頼区間1.22-1.78)。

 特に質の高い研究のみを選んだ場合の相対リスクは40%上昇した(同1.40; 1.16-1.70)。
仕事の要求度と裁量の自由度が影響
 職場でのストレスを高める「ストレイン」(仕事の要求度と裁量の自由度)と、交代制勤務に関する研究が多く、メタボと関連が深いことも分かった。

 仕事において、自らの考えや思い、アイディアなどを反映でき、自分の主体性や独自性を発揮できること、あるいは自分の判断で進められることは、自らの存在感や存在意義を感じることができ、自己効力感にもつながり、快適さや仕事の満足度に大きく影響する。

 「今回の研究は、職場の好ましくない心理社会的要因のメタボ発症への影響を量的に検証したもっともエビデンスレベルの高いもの。労働者の循環器疾患などを引き起こす生物学的な機序についての研究が進むことを期待している」と、研究者は述べている。

北里研究所
Work‐related psychosocial factors and metabolic syndrome onset among workers: a systematic review and meta‐analysis(Obesity Reviews 2018年7月25日)
[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年12月15日
「早食い」は肥満や体重増加につながる ゆっくり味わって食べるとエネルギー消費量を増やせる
2021年12月10日
肥満は糖尿病の人にとって大敵 体重をコントロールして糖尿病を改善 成功するためのコツは?
2021年11月10日
新型コロナウイルス感染拡大の陰で起きている体調変化や生活習慣に関する最新調査
2021年10月19日
【新型コロナ】糖尿病と肥満の人はなぜ重症化しやすい? 感染と重症化を防ぐためにこれが必要
2021年10月01日
肥満の人は日常生活動作(ADL)が低下しやすい 健康寿命も短縮 若い頃から健康な生活で対策を

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー

一無・二少・三多 ▶ 「多接」多様なつながり

2021年10月13日
昨年より生活満足度は低下、コロナ前後での比較検討も「満足度・生活の質に関する調査報告書2021」より
2021年05月11日
孤独・孤立と生活習慣病―健康には社会的接点が不可欠!
2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
母乳育児は母親の「産後うつ」を抑制 授乳時の赤ちゃんに対する働きかけにも効果 目を見て話しかけることが大切

 ▶ 一無・二少・三多

2022年02月01日
こころの密を育てる―ネガティブになりがちな今だから「多くの人・こと・ものとつながる」
毎年2月は『全国生活習慣病予防月間』―Web講演会公開中!
2022年01月23日
1月23日は『一無、二少、三多の日』!
「一無、二少、三多」ピクトグラム公募結果と全国生活習慣病予防月間2022のご案内
2021年11月17日
全国生活習慣病予防月間2022実施概要決定! 
テーマは多接:多くの人・こと・ものとつながる!
2021年10月13日
昨年より生活満足度は低下、コロナ前後での比較検討も「満足度・生活の質に関する調査報告書2021」より
2021年10月04日
最優秀賞 25万円! 健康スローガン「一無、二少、三多」のピクトグラム公募
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート