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「ウォーキング」で重要なのは継続 少し歩いただけで健康効果を得られる

キーワード: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 糖尿病 高尿酸血症/痛風 がん 「多動」身体を活発に動かす

 推奨以下のレベルのウォーキングであっても、習慣として続ければ、死亡率が低下し、健康に生きるために役立つことが、米国がん学会が実施した14万人対象の研究で明らかになった。
 「ウォーキングは自由に、簡単に行える、もっとも実践的な運動です。もっともリスクが高いのは、運動をまったく行わないことです。時間がないので運動できないという言い訳は通用しません」と、研究者は述べている。
推奨よりも少ない量のウォーキングでも効果がある
 ウォーキングは、もっとも広く行われている運動であり、2型糖尿病、心臓病、がんなどのリスクを低下させることが、過去の研究で明らかになっている。

 米国がん学会は、中強度の運動を週に150分、あるいは活発な運動を週に75分行うことを奨励している。

 中強度の運動とは時速4.8km程度のウォーキングに相当し、活発な運動とは心拍数が上昇し、呼吸が速くなり、うっすらと汗をかく程度の運動に相当する。

 しかし、米国健康・栄養調査によると、成人の半数は最小限の運動しかしておらず、65~74歳の高齢者では運動習慣のある人は42%しかいない。

 米国では2030年までに65歳以上の高齢者が2倍に増えることが予想されている。そうした人々のすべてに、運動ガイドラインが推奨する運動量をこなしてもらうのは難しい。

 しかし新しい研究で、推奨よりも少ない運動量であっても、健康と長寿に十分に役立つことが明らかになった。

ウォーキングが死亡リスクを20%低下させる
 発表されたのは、米国がん学会が実施しているコホート研究「がん予防研究-3」(CPS-3)に参加している13万9,255人(男性 6万2,178人、女性 7万7,077人)を対象とした研究の成果だ。

 参加者のおよそ95%は、なんらかのウォーキングをしていた。また、半数の人はウォーキングが中強度から活発な運動の唯一の手段であると回答し、男性の5.8%、女性の6.6%はそうした運動をまったく行っていない回答した。

 1999〜2012年の13年間の追跡期間中に、男性2万4,688人、女性1万8,933人が死亡した。

 週に2時間未満のウォーキングを行っている群と比べると、まったく運動をししない群では、死亡リスクが26%上昇した。

 さらに、対照群の2倍にあたる週に2.5~5時間のウォーキングをしていた群では、全死亡のリスクが20%低下した。

 調査では、ガイドラインで推奨されているレベルを下回るウォーキングであっても、死亡リスクを低下できることが判明した。

 ウォーキングを習慣として行うことで、心疾患による死亡リスクが20%低下し、がんによる死亡リスクが9%低下することが判明した。

 ウォーキングの効果がもっとも高いのは、肺炎やインフルエンザなど、呼吸器に関連する疾患の死亡リスクだった。高齢の人が週に6時間のウォーキングをすることで、そうした疾患による死亡リスクは35%低下した。
ウォーキングは、自由で、シンプルな運動
 「ウォーキングは、自由に、シンプルに行える運動です。特別な道具や訓練は必要なく、どこでも行うことができ、どんな年齢の人でも行えます。ウォーキングはまさに"完璧な運動"なのです」と、米国がん学会のCPS-3戦略ディレクターの、アルパ パテル氏は言う。

ウォーキングの速度を上げなければ運動の効果を得られないわけではなく、研究では参加者の平均の歩行速度は4.8km程度だった。これは20分で1.6kmを歩く程度のやや活発な歩行に相当する。

 「運動習慣のない人、とくに高齢者にとって、運動療法は有益であることが分かりました。マラソンランナーにならなくとも、週に数回のウォーキングをするだけで、心身に好ましい効果があらわれます。もっとも危険なのは、まったく運動しないことです」と、パテル氏は言う。

 「ウォーキングの手段はさまざまです。あなたが取り組みやすい方法で始めることが大切です。どんな方法でも良いので、とにかくウォーキングに取り組むことが大切です」と、アルパ氏は言う。

 ▽音楽やラジオを聴きながら、▽犬に散歩をさせながら、▽朝起きたらウォーキングをする、▽昼に食事をとった後で軽くウォーキングをする、▽地域でウォーキングの仲間をみつける、▽時間を決めて毎日ともかく歩いてみる、▽歩くルートを毎回変えて飽きないようにする――ウォーキングの時間を増やす方法はたくさんある。
「時間がない」という言い訳は通用しない
 「時間がないので、運動ができない」という言い訳はもう通用しない。できる範囲内で、生活の中で時間をみつけ、運動をすることを習慣化することが、病気のリスクを減らし、医療費を減らすことにつながる。ウォーキングの時間は1分延ばしただけでも効果を得られる。

 ハーバード大学医学大学院の研究によると、週に2.5時間、つまり1日20分とちょっと歩くだけで、心疾患のリスクを30%低下できるという。ウォーキングなどの運動は2型糖尿病やがん、高血圧や高コレステロールのリスクも低下させ、認知症の予防にも効果的という報告もある。

 活発なウォーキングを習慣としている女性は、肥満のリスクを5%低下できることも判明した。ウォーキングを習慣化することで、年間に11兆円(1,000億ドル)以上の医療費を削減できるという試算も行われている。
ウォーキングはストレス解消にも役立つ うつを軽減する効果も
 ウォーキングはストレス解消にも役立ち、気分を明るくする作用もある。ウォーキングなどの運動をすることで、うつ症状を軽減できることが多くの研究で確かめられている。ウォーキングをすることで緊張が和らぎ、脳内で働く神経伝達物質のひとつである「エンドルフィン」の分泌も高める。鎮痛効果や気分の高揚・幸福感などが得られやすくなる。

 ウォーキングがコミュニティのつながりを強めるという報告もある。多くの人が通りを歩くことで、近隣の犯罪率が低下し、地域経済が活性化することか社会学の研究で確かめられている。ウォーキングは、新しい人との出会いを生み、近隣の人々と交流するために手段にもなる。

 夕食後に家族といっしょに外を歩いてみよう。子供たちと話すことで、コミュニケーションを促進し、家庭内の問題を軽減し、子供の発育にも好ましい影響があらわれる。

Walking in Relation to Mortality in a Large Prospective Cohort of Older U.S. Adults(American Journal of Preventive Medicine 2017年10月11日)
Study: Even a Little Walking May Help You Live Longer(米国がん学会 2017年10月19日)
Walking for Health(ハーバード大学医学大学院 2017年10月24日)
[Terahata]

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