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赤ワインのポリフェノールで血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善

キーワード: 二少(少食・少酒) 糖尿病 動脈硬化 セルフメディケーション 飲酒

 赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」に、持続的な血管の柔らかさの改善などの健康効果があることが明らかになった。「レスベラトロール」は動脈硬化の進んだ2型糖尿病患者でも効果があるという。
赤ワインのポリフェノール「レスベラトロール」の効果
 フランス人は肉などの飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を多く摂取しているにもかかわらず、冠状動脈性心疾患の発症が少ないことは、「フレンチパラドックス」として知られる。そのカギとなるのは赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」で、1990年代には赤ワインブームが起き、2000年代にはレスベラトロールが長寿遺伝子(サーチュイン)を活性化することが分かり注目を浴びた。

 レスベラトロールに関しては、さまざまな研究がされているが、健常人で血管の健康効果を検証された例は少なく、また、血管の柔らかさについては、疾患者であっても瞬間的な効果だけで持続的な効果まで検証された例はなかった。

 そこで、Rサイエンスクリニック広尾(東京都港区)の日比野佐和子院長らは今回の試験で、健常人がレスベラトロールを含有する赤ワインエキス末を摂取し続けて、持続的な健康効果(主に血管の柔らかさと脂質代謝を評価)が示されるのかを検証した。結果は医学雑誌「新薬と臨牀」に発表された。
「レスベラトロール」が血管を柔軟にする
 その結果、赤ワインエキス末を1日当たり400mg(レスベラトロールとして20mg)摂取し続けたグループで血管の柔らかさの指標であるFMD値が正常値まで上昇し、12週間の赤ワインエキス末の摂取で血管の柔らかさが改善した。

 血流依存性血管拡張反応(FMD)検査は、カフで腕を締めた後の血流増大によるずり応力により、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)が血管内皮からどれだけ放出されたかを診る検査。管内皮機能が低下しているとNOの産生が少なくなり、FMD値は低下する。

 試験ではレスベラトロールを含有する赤ワインエキス末を用いて1日当たり20mgの低用量レスベラトロール(被験食品群)と160mgのオリゴメリックプロアントシアニジン(プラセボ群)を健常人に12週間摂取させ、検査まで12時間以上のウォッシュアウトタイムを設け、血管柔軟性および脂質代謝に対する持続的な効果を評価した。

 その結果、被験食品群とプラセボ群との間でFMD値の有意差(P=0.043)が認められ、血圧の降下傾向が示された。その被験食品群のFMD値は、5.1±2.3%から6.8±2.1%と、摂取前のFMD平均値は約30%増加し、正常値目安の6.0%を超える平均6.8%へ改善した。赤ワインエキス末による血管柔軟性の持続的な改善効果ならびに血圧の改善傾向が示された。脂質代謝に関しては、被験食品群においてわずかな皮下脂肪の増加抑制の傾向が認められた。

 「これまでも赤ワインの健康効果を雑誌などで紹介してきましたが、この度、アルコールが含まれていない赤ワインポリフェノールで健康効果を示すことができました。アルコールが苦手な方でも毎日赤ワインの健康効果を楽しめると思います」と、日比野佐和子院長はコメントしている。
動脈硬化の軽減効果を2型糖尿病患者でも確認
 赤ワインに含まれるレスベラトロールには、2型糖尿病患者の動脈硬化を軽減する効果があることも明らかになった。これは米国腎臓病学会(AHA)のサイエンス セッションで発表された研究だ。

 「レスベラトロールは、2型糖尿病の患者さんにおいても、大動脈の構造変化を促し、血管の弛緩を減少させ動脈硬化を改善することが分かりました。これは、特に2型糖尿病や肥満の人に加齢とともに起こる血管異常を治す方法があるという研究成果を裏付けるものです」とボストン医科大学院の血管生物学部のナオミ ハンブルク氏は語る。

 今回の研究では、ボストン大学の研究者グループはまず、研究開始時に動脈硬化が認められた2型糖尿病患者57人の大動脈の硬化度を測定した。次に毎日100mgのレスベラトロールを2週間摂取してもらった。その後、300mgのレスベラトロールを2週間摂取してもらい、最後にプラセボ(偽薬)を4週間飲んでもらうという研究を実施した。

 その結果、硬化度の高かった人は、300mgのレスベラトロールを摂取すると、動脈硬化が9.1%改善した。100mgの場合では4.8%改善し、プラシーボの場合では逆に増加したという。また、研究開始時に大動脈が硬化していなかった人には、こうした効果はみられなかった。

Rサイエンスクリニック広尾
Compound in red wine may reduce artery stiffness in diabetics(米国心臓学会 2017年5月4日)
[Terahata]

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