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世界の糖尿病人口が4.2億人を超える 30年で4倍に増加 WHO

キーワード: 糖尿病

 世界保健機関(WHO)は、成人の糖尿病有病者数が2014年までに4億2,200万人に達し、1980年の1億800万人から4倍近くに増えたと発表した。
 「糖尿病がもたらす脅威に対抗し、糖尿病とともに生きる人々へのケアを向上させるために、世界中の人々が力を合わせる必要があります」と、WHOの事務局長のマーガレット チャン氏は声明を発表した。
世界の糖尿病人口は2025年までに7億人を突破
 世界保健機関(WHO)は「世界保健デー」に、世界の成人の糖尿病有病者数が2014年までに4億2,200万人に達し、11人に1人が糖尿病を発症しているという調査結果を発表した。

 世界保健機関(WHO)の世界保健総会は1948年に始められ、これを記念し1950年から毎年4月7日が「世界保健デー」として定められた。「糖尿病が世界保健デーのテーマに選ばれるのは、今回がはじめてです。糖尿病がもたらす問題が世界でより深刻になったことを示しています」と、国際糖尿病連合(IDF)理事長のショウカト セイデコット氏は言う。

 WHOがまとめた報告書「糖尿病についてのグローバルな報告」(Global Report On Diabetes)によると、糖尿病の有病率は、男性では1980年には4.3%だったが、2014年には9%に上昇した。女性では1980年には5%だったが、2014年には7.9%に上昇した。

 糖尿病が直接的な原因となり死亡した人は2012年に150万人に上り、高血糖が引き起こす心血管疾患などで死亡した人は220万人に上る。糖尿病により70歳より前に亡くなる人が43%を占めると推定されている。糖尿病は寿命を縮め、「早死」を増やす原因となる。

 有効な対策をしなければ、2025年までに世界の糖尿病人口は7億人以上に増えると予測されている。世界の糖尿病有病者4億2,200万にうち、2分の1は上位の5ヵ国(中国、インド、米国、ブラジル、インドネシア)に集中している。

 2型糖尿病が増えた原因のひとつは肥満の増加だ。WHOによると世界の肥満人口は1975年から40年間に急速に増えており、肥満の割合は男性で11%に、女性で15%に上る。2025年までに男性の18%、女性の21%が肥満になると予測されている。
世界の糖尿病の医療費は90兆円 日本は8兆円
 世界の糖尿病の医療費は90兆円(8,250億ドル)に上るという調査結果も発表された。糖尿病の医療費は、中国で18.5兆円(1,700億ドル)、米国で11.4兆円(1,050億ドル)、インドで8兆円(730億ドル)に上る。日本の糖尿病の医療費は8兆円(730億ドル)に上り、世界の上位に名を連ねている。

 調査は、米国のハーバード大学公衆衛生大学院、英国のインペリアル カレッジ ロンドン、世界保健機構(WHO)の研究チームを中心に、世界中の約500人の研究者の協力を得て行われた。結果は医学誌「ランセット」に発表された。

 糖尿病の人が血糖コントロールが不良な状態が続くと、心臓病、腎臓病、網膜症による視力障害、動脈硬化が引き起こす下肢切断など、さまざまな合併症が引き起こされる。糖尿病の医療費は、糖尿病の治療にかかる直接的な医療費に加え、そうした合併症の医療費も含まれる。

 糖尿病による負担を軽減するために、なによりも必要なことは長期にわたり良好な血糖コントロールを維持し、血圧値や脂質プロファイルも改善し、合併症を予防することだ。

 「合併症を発症すると、糖尿病患者の生活の質(QOL)が著しく低下するだけでなく、医療費も膨大になります。このまま糖尿病が増え続け、合併症を発症する患者が増加すると、医療費の膨張により医療財政が破綻に追い込まれる国が出てくるおそれがあります」と、研究者は述べている。
糖尿病の検査を受ける必要性を全世界に呼びかけ
 「希望もあります。糖尿病の医療は日々進歩しており、早期に発見し適切な治療を開始すれば、合併症を高い確率で予防できることが明らかになっています。糖尿病を早期発見するためのスクリーニング検査を社会全体に広げるよう、政府や医療団体は行動するべきです」と、国際糖尿病連合のセイデコット氏は言う。

 国際糖尿病連合(IDF)は2016年11月14日の世界糖尿病デーのテーマを「糖尿病を見る目」(Eyes on diabetes)と定め、糖尿病のスクリーニング検査の必要性を全世界に呼びかけることを計画している。

 糖尿病のスクリーニング検査は「糖尿病を早期発見し治療を開始するために必要」で、「1型糖尿病や2型糖尿病などのすべてのタイプ糖尿病において、糖尿病合併症を予防するために本質的に必要」としている。

 糖尿病は先進国だけでなく、途上国でも増えている。WHOは医療格差が先進国と途上国の間で拡大していることも問題視している。糖尿病が原因でなくなる人のうち、適切な治療を受けずにいて高血糖を放置し死に至る人の割合は、先進国では男性 32.2%、女性 14.3%だが、低所得の途上国では男性 56.3%、女性 47.5%に上昇する。

 「インスリン製剤の開発により糖尿病医療は大きく進歩しました。インスリンが発見されてからおよそ100年が経過しましたが、インスリン治療を受けられる患者は先進国に限られており、途上国で必要なインスリンを使える患者は3分の1にとどまります」と、WHOの非感染性疾患(NCD)分野の責任者であるエティエンヌ クルーク氏はいう。

 「インスリン療法は先進国では一般的に行われている効果的な治療法ですが、インスリン製剤が高価なため途上国の多くの患者がアクセスできないでいます。そうした患者にとって、インスリン注射をできないことは死を意味しています。安価なインスリン製剤を開発するなど、途上国でもインスリン治療を受けられるよう優先して取り組む必要があります」としている。

[Terahata]

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