一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

働く女性の健康管理を調査 女性が安心して働ける社会

キーワード: 二少(少食・少酒) 「無煙」喫煙は万病の元 三多(多動・多休・多接)

 女性の職場進出の拡大に伴い、女性が安心して働くことができるよう医療面でのサポートが求められている。女性特有の更年期障害、月経不順などの健康障害や妊娠・出産・育児、家庭環境への配慮が不足していることが明らかになった。
都心で働く女性は痩せすぎ?
 都心で働く若い女性の3割近くは、BMI(体格指数)の19以下の「痩せ」で、仕事の忙しさから朝食欠食率が高く、摂取エネルギー1,500kcal未満――東京・丸の内で実施された調査で、こんな傾向が分かった。妊娠、婦人科疾患などへの影響が懸念されている。

 「まるのうち保健室」は、三菱地所が2008年から行っている「食育丸の内プロジェクト」の一環で、一般社団法人ラブテリと共同で2014年9月から約半年間、骨密度測定や管理栄養士によるカウンセリングを実施した。

 20~30代の女性749人を対象にした調査では、肥満度を示すBMIの19以下の「痩せ」の比率は28%だった。痩せ過ぎの女性では、子宮内膜症などの婦人科疾患や骨密度減少リスクの上昇が懸念される。

 女性の痩せと婦人科疾患のリスクとの関連について「知っていた」と答えた女性は、全体の44%にとどまった。同社では「痩せた女性の増加が不妊症および介護者の増加、ひいては医療費増につながる」としている。

就業時間が長いほどエネルギー摂取量が低下
 さらに、20~30代女性の1日の食事で摂取する標準的なエネルギー量は2,000kcalだが、調査に参加した女性の平均摂取エネルギー1,479kcalだった。主な原因は朝食欠食で、朝食欠食率は36%だった。

 模範就業時間である週41~60時間を超えると就業時間に比例し、エネルギー摂取量が低下する傾向があることも判明。摂取エネルギー量低下と比例して、鉄分・カルシウム・亜鉛・食物繊維などの摂取量が低下し、逆にアルコールと脂肪の摂取量が増える傾向が示された。

 就業時間が101時間を超える女性では、「体型を気にして深夜の夕食を抜く・減らす」「食べたとしても遅い時間に食べた影響で、翌朝に朝食を食べられない」という声が寄せられた。

パートや自営の女性の方が死亡リスクが高い
 日本の働く中高年女性1万7,000人を調べた研究では、パートや自営の女性の方が常勤の女性よりも死亡リスクが高いと判明した。

 この研究は、大阪大学大学院医学系研究科の本庄かおり氏(公衆衛生学)によるもので、公衆衛生学の学術誌「Journal of Epidemiology & Community Health」に発表された。

 本庄氏らは、日本の大規模研究である「JACC study」に参加した40~59歳の女性1万6,692人を、20年間以上にわたり追跡調査した。就業形態の内訳は、(1)常勤5,126人、(2)パートタイム6,698人、(3)自営業4,868人。追跡期間中に1,019人(6%)が死亡した。

 その結果、死亡リスクは常勤に比べてパートタイムで1.48倍、自営業で1.44倍高かった。就業の形と死亡リスクの関連は、特に教育レベルが低い人たちで強かったという。

 また、独身の自営業の女性では、既婚の自営業の女性に比べて死亡リスクが高い傾向にあることも判明した。

女性一人ひとりに個別化した支援(保健指導)が必要
 女性の健康増進について考える場合には、単に労働時間の長さや負荷だけでなく、生活全般に目を向ける必要性が高い。

 男性に比べて女性の方が、同じ労働時間、同じ通勤時間の場合には、家庭内役割や身支度などに費やす時間が長く、睡眠時間がより短縮しやすい傾向にある。

 一方で、健康増進については、多くの職場で女性に対する特別の配慮は実施されていない。女性労働者の産業保健サービスのニーズは、子宮内膜症、子宮がん、乳がん、更年期障害などの健康問題、職場のメンタルヘルスや喫煙対策など多様化している。

 男性と女性では、生活習慣病の発生率が高まる年齢も異なる。例えば総コレステロールが同じ検査値であっても心筋梗塞の発生率に差が存在する。

 「多様化している健康問題に関して、女性労働者自身が解決やコントロールする力を付けることが大切であり、解決のための方法の活用について個別的な支援(保健指導)が必要」と、研究者は述べている。

食育丸の内プロジェクト
Employment situation and risk of death among middle-aged Japanese women(Journal of Epidemiology & Community Health 2015年6月4日)

[Terahata]

関連トピック

一無・二少・三多 ▶ 「無煙」喫煙は万病の元

2021年05月17日
5月31日は世界禁煙デー、6月6日まで禁煙週間
禁煙で新型コロナに負けないカラダになろう!
2021年01月15日
喫煙が「排尿症状」の悪化の要因に とくに若年男性でタバコの悪影響は深刻 世界初の大規模研究を実施
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
2021年04月16日
中学生でも肥満だと代謝異常リスクが3倍に上昇 女子中学生では軽度の過体重でも高血圧のリスクが
2021年04月16日
世界肥満デー 世界の20億人が肥満か過体重 2025年までに世界の成人の5人に1人が肥満に

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート