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女性の記憶力は男性より優れている? 脳は家事で鍛えられる

キーワード: ストレス関連疾患/適応障害 三多(多動・多休・多接)

 夫に「仕事帰りに牛乳買ってきて」などと頼んで、結局買ってきてもらえなかった、あるいは「私は覚えているのに、彼が記念日を覚えていない」といった経験はもつ女性はいないだろうか? 日常で行うべきことを記憶し実際に行動する能力に関して、女性は男性よりも優れているという実験結果が発表された。
女性の脳は日常の家事や子育てで鍛えられている
 心理学では「これから何をしようとしているのか」という記憶を、未来への記憶、つまり「プロスペクティブ記憶」と言う。例えば、仕事の帰りに牛乳を買うために、必ず店の前で立ち止まるといった行動を覚えているために、予定を記憶し適切なタイミングで思い出す能力が必要になる。

 英国のアストン大学の研究者が、平均年齢25歳の男女100人に参加してもらい実験を行った。それぞれ2分、15分、24時間以上の記憶を要するタスク・ワークに取り組んでもらい、実際にどけだけ覚えていられたかを調べた。

 具体的には、参加者に「2分後に電話をかけてカードに書いてある事柄を伝える」「15分後に特定の人と会話をし、メモに書かれていることを聞く」といった行動をしてもらった。

 その結果、プロスペクティブ記憶に関して、女性の方が男性よりも記憶力が優れている傾向があることが分かった。「仕事の後で牛乳を買って帰ることを忘れない」「友人からかかってきた電話をメモにとり、忘れずに渡す」といった単純な行動については、女性の方が男性よりも記憶力が優れているという結果になった。

 女性は自分の行動について、出来事や身体活動に関連付けて記憶するのが得意であることも判明した。「女性の方が家庭で多くの家事をこなしており、長年の経験で脳が鍛えられている可能性があります」と、アストン大学生活健康科学部のリアナ パレルモ氏は言う。

 女性は家事や子育てなど家庭での多くの事柄に対し責任を負っており、時間、場所、感情などをからめて記憶するパフォーマンス能力が鍛えられている可能性があるという。

 一方、男性の場合は、日・月単位で計画を立てて、特定の時刻に関連付けて記憶することが多く、また複数の作業を同時に行うマルチ・タスクが得意であることが判明した。

 「スマートフォンなどの情報機器の普及にともない、現代人はひとつの作業に集中して取り組むのが苦手になりつつあります。情報を処理するためにマルチ・タスクの能力が求められますが、これに関しては男性の方が女性よりも優れていることが分かりました」と、パレルモ氏は言う。

 「もちろん個人差はありますが、平均値として脳には男女の差があります。アンドロゲンやエストロゲンといった性ホルモンの分泌が男女の脳構造にも影響しており、記憶力や認知力の差となってあらわれる可能性があります」と指摘している。

Research reveals why men are more forgetful(アストン大学 2015年6月8日)
Women outperform men in remembering to remember(Journal of Experimental 2015年4月8日)

[Terahata]

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