一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

ランニングは短い時間でも効果がある 1日5分でも死亡リスクが低下

キーワード: 肥満症/メタボリックシンドローム 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 「多動」身体を活発に動かす 身体活動・運動不足

 ランニングなどの有酸素運動は「やればやるほど良い」というわけではない。1日たった5分だけのランニングや、ゆっくりと走るスロージョギングでも、毎日続ければ健康増進の効果を得られることが、5万人を超える15年間の調査で明らかになった。

 「運動を続ける上で大きい障害となるのは、十分な時間をとれないことです。そんな人でも、短時間に楽しめる範囲内で、リラックスしながら運動を続ければ、効果を得られることが分かったのは、良いニュースです」と、研究者は述べている。
健康で長生きしたい? それではランニングをしよう
 研究によると、毎日5〜10分程度の短時間のランニングや、時速10km程度のゆっくりとしたランニングで、心臓疾患や死亡のリスクを3〜5割軽減することができるという。

 米アイオワ州立大学のダック-チャル リー助教(運動生理学)ら研究チームは、「エアロビクスセンター縦断調査」(ACLS)に参加した5万5,137人を15年間追跡して調査した。

 調査開始時の参加者の年齢は18〜100歳で、平均年齢は44歳だった。追跡期間に3,413人が死亡し、うち1,217人が心臓血管疾患が原因だった。この研究は、米国心臓財団が発行する医学誌に発表された。

 ランナーは、走る習慣のない人々と比べ、総死亡リスクが30%低下し、心臓病か脳卒中で死亡するリスクが45%低下した。これは寿命が約3年延びたことに相当するという。

 さらに、走る時間や速度が違っても、同様の効果を期待できることも明らかになった。走る時間が週51分未満の人と週176分以上の人を比べた場合でも、リスク軽減に関する結果に統計的な大きな違いはみられなかった。

できる範囲内でランニングを始めれば、健康寿命を延ばせる
 ランニングは1日5〜10分でも効果があることが判明した。調査では、走る量が少ない人でも、まったく走らない人に比べ、死亡リスクは低下した。

 週に合計51分間未満しか走らない人、1日に平均7分間未満しか走らない人、週に9.6km未満しか走らない人、週に1〜2回しか走らない人、時速9.6km(1km6分15秒)より遅いスピードの人でも、いずれも死亡リスクは低下した。

 週に1時間未満のランニングには、週に3時間以上のウォーキングと同等の効果があったという。

 運動の指導者の多くは「運動は1日に最低30分は行わないと効果を得られない」と指導しているが、これは時間に余裕のない忙しい人には実行するのが難しい条件だ。

 「今回の調査で、10〜15分、それも無理なら5〜10分の時間であっても、毎日運動を続ければ便益を得られることが明らかになりました」と、リー氏は述べている。

 「健康を損なう最大の原因は、何も運動をしないことです。運動不足がもたらすリスクは高血圧にも匹敵します。"運動する習慣がない"という人は、はじめのうちは短い時間でも良いので、今日から運動に取り組んでください」と強調している。

糖尿病の人にもジョギングは効果的
 気になるのは肥満、糖尿病などの危険要因をもった人々であっても、ジョギングを少しずつ毎日行うことで、心臓病などのリスクを低く抑えることができることが示されたことだ。

 ただし、2型糖尿病の人は比較的、高齢者が多い。高齢になると、若者に比べると筋力は低下していく。強度は弱くても継続したトレーニングを続けることが必要だという。

 「歩き始めはゆっくりと、徐々に速度を上げていき、その後ジョギングへ。体調が良くない日は無理しないように」と研究者はアドバイスしている。

 2型糖尿病の人は年齢、罹病期間が長くなるので心臓病、高血圧、脂質異常症などが合併しがちだ。運動を始める前に主治医と相談して必要な検査を受けることも重要だ。

Want to live longer? Go for a run, says Iowa State researcher(アイオワ州立大学 2014年7月28日)
Leisure-Time Running Reduces All-Cause and Cardiovascular Mortality Risk(Journal of the American College of Cardiology 2014年8月5日)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年12月15日
「早食い」は肥満や体重増加につながる ゆっくり味わって食べるとエネルギー消費量を増やせる
2021年12月10日
肥満は糖尿病の人にとって大敵 体重をコントロールして糖尿病を改善 成功するためのコツは?
2021年11月10日
新型コロナウイルス感染拡大の陰で起きている体調変化や生活習慣に関する最新調査
2021年10月19日
【新型コロナ】糖尿病と肥満の人はなぜ重症化しやすい? 感染と重症化を防ぐためにこれが必要
2021年10月01日
肥満の人は日常生活動作(ADL)が低下しやすい 健康寿命も短縮 若い頃から健康な生活で対策を

疾患 ▶ 脳梗塞/脳出血

2021年12月20日
牛乳を毎日1杯飲むと脳卒中リスクが低下 認知症リスクも低下 牛乳に血圧を下げる効果が?
2021年09月15日
ピーナッツを食べると脳卒中リスクが低下 不飽和脂肪酸や食物繊維などが豊富 日本人7万人超を調査
2021年09月10日
コーヒーを1日に最大3杯飲むと脳卒中や心臓病のリスクが低下 糖尿病の人にもベネフィットが
2021年03月11日
健康寿命を伸ばすための10の方法 こうすれば健康に長生きできる 国立医療研究センター6機関が提言
2021年02月18日
WHOが「世界の死因トップ10」を発表 心臓病が1位に 糖尿病と認知症も上位に 食事と運動で予防・改善

疾患 ▶ 心筋梗塞/狭心症

2021年09月10日
コーヒーを1日に最大3杯飲むと脳卒中や心臓病のリスクが低下 糖尿病の人にもベネフィットが
2021年03月11日
健康寿命を伸ばすための10の方法 こうすれば健康に長生きできる 国立医療研究センター6機関が提言
2021年02月18日
WHOが「世界の死因トップ10」を発表 心臓病が1位に 糖尿病と認知症も上位に 食事と運動で予防・改善
2021年02月09日
くるみなど植物由来のオメガ3脂肪酸を豊富に含む食生活で心筋梗塞後の死亡リスクが低下
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に

生活習慣 ▶ 身体活動・運動不足

2022年01月26日
【新型コロナ】テレビばかり見ていると血栓症リスクが上昇 糖尿病の人は立ち上がって運動を
2022年01月20日
インターバルトレーニングが糖尿病の人の糖代謝を改善 速歩とゆっくり歩きを交互に 脂肪肝も解消
2021年12月22日
ウォーキングなどの運動は糖尿病を改善する「魔法の薬」 運動を増やして、座ったままの時間は少なく
2021年11月10日
新型コロナウイルス感染拡大の陰で起きている体調変化や生活習慣に関する最新調査
2021年10月25日
世界骨粗鬆症デー 糖尿病の人は骨折に注意 40歳過ぎたら骨を強くする対策を

一無・二少・三多 ▶ 「多動」身体を活発に動かす

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート