一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

オーガニック牛乳の脂質バランスは理想的 オメガ3系脂肪酸が豊富

キーワード: 脂質異常症(高脂血症) 「少食」食事は腹7~8分目 食生活

 有機畜産で生産される「オーガニック牛乳」には、健康に良い脂肪酸が通常の2倍含まれているという調査結果が米国で発表された。「オーガニック牛乳を飲むだけで、脂質のバランスを改善できる可能性があります」と、研究者は指摘している。

 「オーガニック牛乳」は、牛を育てる飼料に農薬や化学肥料、化学合成物質(殺虫剤、除草剤など)などを使わず、有機畜産で生産している牛乳をさす。

 オーガニック牛乳の市場は、海外では急成長しており、牛乳の消費量の多いデンマークやスウェーデン、米国などで消費量は高い伸び率を示している。

 ワシントン州立大学のチャールズ ベンブルック教授(農業社会学)らは、米国で販売されている400銘柄のオーガニック牛乳の栄養成分を調べた。

 「オーガニック牛乳と通常の牛乳では、栄養の品質に大きな差が出ていることが判明しました」と、ベンブルック教授は話す。

体に良い脂肪酸が理想的な配分で含まれる
 有機栽培で作った飼料で育て、放牧によって良好な健康状態を維持している牛から生産されたオーガニック牛乳には、通常の牛乳に比べ、健康に良い脂肪酸が多く含まれることが判明した。

 牛乳などに含まれる脂肪酸には、炭素の二重結合の数と位置などによっていくつかの種類がある。大きく分けると、炭素の二重結合がない「飽和脂肪酸」と、炭素の二重結合がある「不飽和脂肪酸」の2種類がある。このうち二重結合を2つ以上含む「多価不飽和脂肪酸」は、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、悪玉のLDLコレステロールを減らすなど、さまざまな作用をもっている。

 多価不飽和脂肪酸の中でも特に注目されているは「オメガ3系脂肪酸」(n-3系脂肪酸)だ。動脈硬化を防ぎ、コレステロール値や中性脂肪値を下げ、心臓病、がん、脳卒中、骨粗鬆症など、さまざまな疾患を改善する効果がある。

 研究チームによると、オーガニック牛乳には、このオメガ3系脂肪酸が通常の牛乳に比べ約2倍含まれているという。

 一方で、食物油などに含まれる「オメガ6系脂肪酸」(n-6系脂肪酸)も体に必要な脂肪酸だが、過剰に摂取すると体内で炎症を引き起こす要因となる物質に変化するため、とりすぎない方が良いと考えられている。

 オーガニック牛乳には、オメガ3系とオメガ6系が理想的な配分で含まれている。牛乳のオメガ6系とオメガ3系の配分は、通常の牛乳では5.8対1だが、オーガニック牛乳では2.3対1。これほどの理想的な配分は、オーガニック牛乳以外ではみられないという。

オメガ3系脂肪酸が魚よりも多く含まれる
 オメガ3系とオメガ6系は体に必要な脂肪酸だが、オメガ6系に偏り過ぎると、むしろ心臓病などの発症が増えるという研究報告が発表されている。

 欧米型の食事では、オメガ6系とオメガ3系の比率が最大で15対1になっており、脂肪摂取の観点からは勧められないという。オメガ6系とオメガ3系の理想的な配分は2.3対1で、オーガニック牛乳の配分と一致する。

 オメガ3系は、マグロやサバ、ニシンなどの魚にも豊富に含まれており、「魚を食べると健康に良い」という通説の根拠になっている。

 調査では、オーガニック牛乳には、魚よりも多くのオメガ3系脂肪酸が含まれることも確認された。さらに、通常の牛乳よりも、ビタミンEやベータカロチン、ビタミンAなどの必須栄養素も多く含まれることも分かった。

 「通常の牛乳をオーガニック牛乳に置き換えるだけで、脂質の摂取バランスの40%を改善できる可能性があります。欧米人は体に良くない脂質をとり過ぎており、今回の調査結果は大きな福音をもたらす可能性があります」と、ベンブルック教授は強調している。

 心臓病リスクの高い子供や、妊婦など、とくに健康的な食事を必要とする人にも、オーガニック牛乳は勧められるという。

Researchers see added nutritional benefits in organic milk(ワシントン州立大学 2013年12月9日)

[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 脂質異常症(高脂血症)

2021年07月28日
糖尿病はアルツハイマー病の危険因子 脳を活性化して予防 新しいことにもチャレンジ
2021年04月16日
人工知能(AI)により生活習慣病の将来リスクを予測 保健指導での意識・行動の改善に貢献 国際医療研究センターなどが共同研究
2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切

生活習慣 ▶ 食生活

2022年01月28日
夕食はいつ食べると良い? 夜に食べるタイミングが糖尿病リスクに影響 メラトニンと遺伝子が影響
2022年01月19日
肉やソーセージを食べ過ぎると糖尿病リスクは上昇 植物性食品に置き換えるとリスクは減少
2022年01月19日
食後血糖の急激な変動(血糖値スパイク)を抑える健康食事法 「スローカロリー食ライフ」キャンペーン実施中!
―豪華賞品とスローカロリー商品詰合わせをプレゼント。2022年2月16日まで!
2022年01月12日
【世界健康フォーラム2021・静岡 公開中!】
健康寿命はみんなで延ばせる 食生活で日本を元気に!
2021年12月21日
やせていても「少食で運動不足」だと糖尿病リスクが高い 若い女性も気をつけたい糖尿病 順天堂大

一無・二少・三多 ▶ 「少食」食事は腹7~8分目

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
2021年04月16日
中学生でも肥満だと代謝異常リスクが3倍に上昇 女子中学生では軽度の過体重でも高血圧のリスクが
2021年04月16日
世界肥満デー 世界の20億人が肥満か過体重 2025年までに世界の成人の5人に1人が肥満に
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート