2013年07月11日
ダイエットは仲間とともに取組むと成功しやすい 成功率に8倍の差
キーワード: 二少(少食・少酒) 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接)

夏に向けて本格的なダイエットに取り組もうと思っている人は多い。確実に痩せたいと願うのならば、有効な方法は一緒にダイエットに取り組む仲間をつくり、励まし合うことのようだ。
米ベイラー医科大学がおこなった研究によると、1人で地道にダイエットに取り組むのと、仲間とともにグループで実践するのでは、ダイエットの成功率は大幅に変わる。 このランダム化比較試験は、米国の会員制のダイエットサービスである「ウェイト ウォッチャーズ」の協力を得て行われ、英リバプールで今年5月に開催された「欧州肥満学会会議」で発表された。 研究チームは参加者を無作為に、独力でダイエットに取り組む群(独力群、147人)と、グループ療法に参加する群(グループ群、145人)に分けた。 独力群には、食事療法と運動療法に関する基本的な情報を解説した冊子を提供し、公共図書館などで利用できる文献リストや、無料で利用できるウェブサイト、電話相談の番号などを記した資料を渡した。 一方、グループ群には、インターネットで利用できるダイエット支援サービスにアクセスしてもらい、食事や運動、体重などを毎日記録してもらった。どれだけ減量が進展しているかによって、電子メールなどでアドバイスを週に1回受けられるようにした。また、減量に取り組む人々が参加し、相互に情報交換ができるインターネット サービスを利用してもらい、ミーティングにも月に1回参加してもらった。 その結果、3ヵ月後の体重の平均減少量は、独力群では0.8kgだったのに対し、グループ群では3.9kgだった。6ヵ月後には差はさらに拡大し、独力群では0.6kgだったのに対し、グループ群では4.6kgになった。6ヵ月後に体重を5%減少するのに成功した割合は、グループ群は独力群の8倍に上った。 「もっとも効果的だったのは、インターネットの交流サイトの利用と、ミーティングへの参加でした。自分と同じように減量に取り組む仲間をつくることが動機付けとなり、行動変容へと導く強力な後押しとなります」と、ジョンストン氏は話す。 生活スタイルを健康的に変えるのは容易なことではありませんが、同じ目的をもつ仲間がいることが分かり情報交換ができるようになると、患者は生活のさまざまな側面で工夫するようになります」(ジョンストン氏) インターネットやスマートフォンを活用したダイエット支援が効果的であることは、過去の研究でも確かめられている。 2011年に医学誌「Lancet」に発表された英国の人間栄養研究所(Human Nutrition Research)による研究は、オーストリア、ドイツ、英国の総合医(GP)による減量治療を受けている成人772人を対象に行われた。 オンラインの減量サービスを利用した患者では、標準の治療のみを受けた患者に比べ、体重の減少量は2倍になった。 「肥満や過体重の人は、体重を減らすことで2型糖尿病や心臓血管症の危険性を減らすことができます。世界には過体重の人は10億人、肥満の人は3億人います。インターネットを活用した減量プログラムの活用は注目されています」と、ジョンストン氏は指摘している。 The Weight Watchers Approach Is Five Times More Effective than DIY Dieting(ウェイト ウォッチャーズ 2013年5月14日)
[Terahata]