一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

20分の日光浴で血圧が下がる 心臓病や脳卒中の予防に

キーワード: 二少(少食・少酒) 「無煙」喫煙は万病の元 三多(多動・多休・多接)

 日光を1日20分浴びると血圧が下がり、心臓病や脳卒中など心臓血管疾患の発症リスクを抑えられるという研究が発表された。

 日光に当たることにより、皮膚を構成する脂肪酸が変換されビタミンDとなる。ビタミンDは、カルシウムが小腸で吸収されるのを助ける働きをする。いったん腎臓を通過して排泄されたカルシウムを、腎臓で再吸収させる作用もある。

 これによって、食事で摂取したカルシウムは、効率よく体内にとり込まれる。日光に当たる機会が少ない生活を続けていると骨量が減少し、骨粗鬆症のリスクが高まることが分かっている。

 ビタミンDには、カルシウムの吸収を助けるだけでなく、古い骨を壊して吸収し、新しい骨をつくることで骨の新陳代謝を高める働きもある。骨や腎臓、腸管などに働きかけるだけでなく、免疫系に関わる作用もあるとみられている。

 「日光に当たるメリットはビタミンDの生成だけではありません。皮膚が日光(紫外線)にさらされると、血圧を下げる化合物が血流中に放出されることが分かりました」と、英エジンバラ大学のリチャード ウェラー博士(皮膚科学)は話す。

 高血圧は、脳卒中や心臓発作などの心臓血管疾患の主なリスク要因だ。英国では30歳以上のおよそ半数が高血圧とされている。

 実験では、皮膚細胞が紫外線にさらされると一酸化窒素を放出することが示された。一酸化窒素は窒素の化合物で、血管を弛緩させて広げる作用があることが知られている。

 紫外線はシミやほくろを増やしたり、浴びすぎると皮膚がんになる危険もあるため、日傘や帽子、日やけ止めクリームで紫外線対策をする人も多い。

 「日光を浴びて血圧を下げることで得られるメリットは、皮膚がんのリスクよりもはるかに重要です。日光に当たることは総合的な健康の向上につながることが示唆されています」と、ウェラー博士は強調する。

 この研究では、24人の被験者に、光を調整できるタンニング・マシンの下で20分間過ごしてもらった。この前後に血圧を測定した。

 タンニング・マシンを2回使用してもらい、うち1回は、ランプから照射される紫外線と熱の両方を浴びてもらい、もう1回は紫外線をカットして熱だけを浴びてもらった。

 その結果、紫外線と熱を浴びた場合でのみ、タンニング・マシンを使用してから1時間のあいだ血圧が有意に下がっていた。このことから、研究グループは、太陽光の熱ではなく紫外線に血圧を下げる効果があるとの結論を導き出した。

 紫外線を効果的に浴びるには、かならずしも直射日光に皮膚をさらす必要はない。天気のいい日なら、木陰にいるだけでも十分な量の紫外線を浴びることができるという。また、日傘や帽子をかぶっていても、やはり紫外線を浴びることができる。

 「数十分程度のウォーキングが、皮膚にダメージを与えずに必要な紫外線を浴びるのにちょうどいいと考えられます。日焼け止めクリームを塗ると、紫外線がカットされてしまいますので、日光浴を目的に外出する場合は塗るのを避けたほうがよいでしょう」とウェラー博士は述べている。

Sunshine could benefit health(エジンバラ大学 2013年5月13日)

[Terahata]

関連トピック

一無・二少・三多 ▶ 「無煙」喫煙は万病の元

2021年05月17日
5月31日は世界禁煙デー、6月6日まで禁煙週間
禁煙で新型コロナに負けないカラダになろう!
2021年01月15日
喫煙が「排尿症状」の悪化の要因に とくに若年男性でタバコの悪影響は深刻 世界初の大規模研究を実施
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
2021年04月16日
中学生でも肥満だと代謝異常リスクが3倍に上昇 女子中学生では軽度の過体重でも高血圧のリスクが
2021年04月16日
世界肥満デー 世界の20億人が肥満か過体重 2025年までに世界の成人の5人に1人が肥満に

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年04月16日
自分の身体能力を過信している高齢者は体力が低下しやすい コロナ禍でも体を動かし活発な生活を フレイル予防アプリも公開
2021年04月16日
運動をすると睡眠を改善できるのはなぜ? 日中に活発なウォーキングを1時間行うと効果的 睡眠時の脳波を調査
2021年04月16日
高齢者の「フレイル」は家電の利用状況を調べれば分かる 電気使用を見える化する「スマートメーター」で高齢者の健康をチェック
2021年04月16日
オフィスを活動的にすると「座り過ぎ」が減る 肥満やメタボの検査値も改善 オフィス環境づくりは大切
2021年04月16日
腎臓病を予防・改善するための「8つの法則」 世界の成人の10人に1人が腎臓病 世界腎臓デー
予防月間2022
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート