2012年08月03日
乳酸菌にストレス性睡眠障害を改善する効果
キーワード: 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる 健診・保健指導
乳酸菌にストレス性の睡眠障害を改善する効果があることを、産業技術総合研究所とサッポロビールの共同研究チームが発見した。
睡眠障害は、社会の24時間化に伴う生活リズムの乱れや、ストレスが原因となって引き起こされる。睡眠時間の減少のほか、睡眠の質の低下、活動時間帯における疲労感や倦怠感など、その症状は多岐にわたり、現代社会の大きな問題となっている。 研究チームは、植物性乳酸菌「SBL88乳酸菌」を0.5%混和した餌をマウスに4週間摂取させた後、睡眠障害を誘発するストレス負荷を2週間続け、回転輪でのマウスの活動量を測定した。 その結果、ストレスにより睡眠障害を引き起こしたマウスは、睡眠時間帯に寝つきが悪く、睡眠不足に陥る影響で活動時間帯に活動量が低下してしまうのに対し、SBL88乳酸菌入りの餌を摂取したマウスでは、活動時間帯の活動量の低下が抑制されていることがわかった。 SBL88乳酸菌は、サッポロビールが発見した生理活性の強い乳酸菌。これまでに抗アレルギー性体質改善機能や、飲酒に対する肝機能保護効果があることがあきらかになっている。 SBL88乳酸菌を摂取したマウスでは、睡眠障害により発現が上昇する遺伝子が抑制されていた。遺伝子レベルでも「SBL88乳酸菌」に睡眠障害を改善する効果があることがわかった。 睡眠障害を改善する治療には薬剤が用いられることが多いが、その催眠作用により昼夜ともに眠気を催してしまう場合がある。 共同研究チームは「乳酸菌に睡眠障害を改善する効果があることが確かめられた。乳酸菌はふだんの食生活で摂取できる。今後はヒトを対象とした研究で、睡眠の質を向上させ、活動期の活動量を改善する効果があるかを確かめたい」と述べている。 産業技術総合研究所
[Terahata]