2012年08月03日
睡眠の質と満足度が低い日本 3ヵ国の実態を調査
キーワード: 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる 健診・保健指導

現代人は、生活習慣による生活の乱れやストレスに満ちた社会環境などにより、国民の5人に1人が睡眠の悩みをもっているといわれる。不眠は誰にでも起こりうる現代病のひとつだ。
日本では“睡眠の質”への満足度が、米・仏の6割に対し、4割止まりであることが、サノフィ・アベンティスが日米仏3ヵ国で行った睡眠調査で分かった。睡眠時間(量)の満足度が低い日本では、集中力や気力・充実感の低下や、眠気を感じるといった“日中パフォーマンス”の低下を実感している割合が高いことも示された。
不眠の悩みを医師に相談する割合は日本が最低
調査は、睡眠および不眠に対する意識や行動の実態を把握するため、昨年8月に日本、米国、仏国の3ヵ国でインターネットで実施したもの。調査対象は30歳以上の成人6,973人で、内訳は日本3,282人、米国1,725人、仏1,966人。
平日睡眠時間は、日本は6.5時間で、米・仏より約0.5時間短く、平日睡眠時間が6時間未満の割合は、日本が最も多く19.8%、米国12.5%、仏国10.2%だった。
“睡眠時間”は気にするものの、“睡眠の質”についてはその重要性が見落されがちだ。“睡眠の質”への満足度を尋ねたところ、“満足”と回答した割合は米国59.4%、仏国61.1%に対し、日本は44.7%となった。一方、“不満”と回答した日本人は36.0%と、約3人に1人が“睡眠の質”に不満を感じていることがあきらかになった。
日中に“集中力、気力・充実感の低下”および“眠気”を感じる人の割合は、日本はいずれの項目でも米・仏より高かった。特に、“集中力がない”と回答した日本人は17.4%と、米国(4.5%)、仏国(9.7%)との間に大きな差がみられた。また、“日中に眠気を感じる人”の割合では、米国(56.0%)、仏国(30.3%)に対して、日本は70.9%と高い割合を示した。
不眠は、眠れないという悩みや日中パフォーマンスの低下を招くだけでなく、糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病やうつ病のリスクにもなる。
不眠症状のある人を対象に、不眠への対処法を尋ねたところ、日本では“お酒を飲む”(19.5%)、“医師から処方された睡眠薬を飲む”(13.7%)、“何もしない”(13.1%)の順に多かった。これに対し、米・仏では“医師から処方された薬を飲む”(19.2%、16.9%)、“医師の診察を受ける”(18.6%、19.9%)の割合が高かった。
寝酒は寝つきを良くするものの、その作用が長続きしないために夜中や早朝に目が覚めてしまうことになり、深い睡眠を減らし、“睡眠の質”を下げる原因となる。日本では、不眠へ適切な対処を行っていないだけでなく、寝酒がまねく“睡眠の質”への悪影響についても認識が低いことがうかがえる結果になった。
不眠症状のある人のうち、医療機関を受診した割合は、米国27.3%、仏国25.6%に対し、日本は15.7%と低かった。また、不眠症状があるものの受診経験のない人を対象に、不眠の改善に良いと思う診療科を尋ねたところ、米・仏では“かかりつけ医(内科)”(49.8%、66.7%)の割合が多い一方、日本は25.9%と低かった。
サノフィ・アベンティス
[Terahata]