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睡眠不足と不規則な生活で糖尿病リスクが上昇

キーワード: 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる

 睡眠不足と体内時計のリズムの狂いが組み合わさると、メタボリックシンドロームや2型糖尿病の危険性が高まるとの研究が発表された。
睡眠障害と体内時計リズムの乱れが
糖尿病や肥満のリスクを増大させる
 「体内時計のリズム」とは「概日リズム(サーカディアン・リズム)」のことで、この体内時計が乱れると睡眠障害が起こりやすくなる。一般的には、朝寝坊や夜ふかしを繰り返したり、夜勤の仕事に就いている人などで、体内時計が後ろにずれることで起こる。

 体内時計が乱れると、朝になっても体内時計が目覚める状態でないため、朝起きられなかったり、睡眠不足のために脳や体の睡眠への欲求が強くなり、日中に強い眠気に襲われるようになる。昼間に集中力が欠けるようになり仕事などの効率が悪くなる。睡眠障害は日常生活に支障がでてくるが、それだけでなく代謝にも変化が生じ、メタボや糖尿病を発症しやすくなるという。

 この研究は、米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のOrfeu Buxton氏らによるもので、米科学誌「Science Translational Medicine」4月11日号に発表された。

 研究チームは、21人の健常成人を対象に、睡眠サイクル、食生活、身体活動などを管理した実験室の環境におき、約6週間にわたり体の変調をみた。

 はじめの5週間は適度な睡眠(24時間につき10時間)をとってもらい、続く3週間は1日の睡眠時間を5.6時間に制限し、概日リズムを28時間周期に変えた。これは、交代勤務で夜勤が入るローテーションと同様の周期である。さらに正常な概日リズムに整えてもらう9日間の回復期間を設けた。

 睡眠が妨害されている期間は、被験者の安静時の代謝率(RMR:座っているときのエネルギー燃焼量)は減少し、食後血糖値も上昇し、糖尿病前症(pre-diabetic)の状態にまで達した。安静時代謝率の低下は、1年間で約4.5kg(10ポンド)の体重増加に相当するものだった。

 ベースラインと比べ,空腹時血糖は+8%、食後血糖最高値は+14%上昇し、空腹時インスリンは−12%、食後インスリン最高値は−27%減少した。回復期間の後は、血糖とインスリンはほぼベースラインのレベルに戻った。

 「睡眠制限と慢性的な概日リズムの障害は、どちらも糖代謝の異常をもたらす。糖尿病予備群の状態にあると、交代勤務で夜間に起きて働いている人では、昼間に働いている人に比べ、糖尿病を発症する危険性が高まるおれそがある」とBuxton氏は話す。

 「夜起きていることで概日リズムが乱れ、昼間に十分な睡眠をとれない可能性がある。睡眠を十分にとることが体にとって大切だ。概日リズムを整えて夜にしっかり眠る生活習慣が最良であることが示された」としている。

Less Sleep, Disrupted Internal 24-hour Clock Means Higher Risk of Diabetes and Obesity(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院 2012年4月11日)
Adverse Metabolic Consequences in Humans of Prolonged Sleep Restriction Combined with Circadian Disruption

[Terahata]

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