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認知能力の低下は45歳からはじまる 英仏研究

キーワード: 心筋梗塞/狭心症 三多(多動・多休・多接) 認知症 健診・保健指導

 “物忘れが多い”や“単語が出てこない”といった認知能力の低下は60歳あたりから増えると一般的には思われているが、実は45歳頃から始まっている可能性があるという研究を、英仏の研究チームが発表した。医学誌「British Medical Journal」に1月5日付けで発表された。
45歳頃から認知能力の低下は始まっている
 ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)とフランスの疫学公衆衛生研究センター(CESP)の研究チームは、1985年に英国で開始された「ホワイトホールIIコホート研究」の一環として、5198人の男性、2192人の女性を対象に1997年からの10年間、観察研究を行った。対象者の年齢は45〜70歳だった。

 期間中に認知能力を調べるテストを3回行い評価した。参加者に“Sから始まる単語をどれだけ思い出せるか”、“動物の名前をいくつ覚えているか”といったテストを行い、記憶力、論理的思考力、単語数や理解度、聴覚、視覚能力を調べた。

 年齢が進むと全てのテストの成績が下がっていくことが分かったが、特に思考力(mental reasoning)の低下が著しいという結果になった。10年間で思考力低下は、45〜49歳の男性では3.6%と、65〜70歳の男性では9.6%、女性ではそれぞれ3.6%と7.4%だった。

 研究者らは「心疾患などの生活習慣病を発症する割合が増えるのは、統計的に60歳前からなので、認知能力の低下も同じ時期に起こると思いがちだ。しかし実際には、45歳頃から認知能力の低下は始まっている可能性がある」と指摘する。

 そのうえで「心疾患の危険因子となる“肥満”、“高血圧”、“高コレステロール”などに対策することは、認知症の危険性を低下するためにも必要であることに変わりはない」と指摘している。

 「認知能力の低下は、老年期の心身の障害の最大の原因かもしれない。衰えはじめる年齢が正確に分かれば、効果的な医学的介入を行えるようになる。世界的に平均寿命が上昇し、高齢者人口は増え続けている。加齢による認知力の衰えを防ぐ研究は、今世紀の科学の大きな挑戦のひとつだ」と研究者らは話す。

 この研究について、ボストンのブリガム&ウイメンズ病院のFrancine Grodstein氏は「認知症の予防と公衆衛生は関連が深いことが示唆された。今後は電話やコンピュータの使用から認知能力の評価を行う研究も期待される」と評価している。

Cognitive decline can begin as early as age 45, warn experts(BMJ Group)
Timing of onset of cognitive decline: results from Whitehall II prospective cohort study
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.d7622

[Terahata]

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