2011年11月28日
抗不安薬・睡眠薬の処方「きめ細やかな対応を」 日薬
キーワード: 三多(多動・多休・多接) 「多休」休養をしっかりとる 抗加齢(アンチエイジング)
日本薬剤師会は11月14日、厚生労より抗不安薬・睡眠薬の処方に関する実態調査が報告されたのを受け、患者への対応を注意するよう会員へ周知を呼びかけている。
1. 実態調査結果の公表と情報提供
抗不安薬・睡眠薬の処方実態についての報告(厚生労働省 2011年11月1日)- 今回の向精神薬(抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、抗精神病薬)の処方に関する実態調査結果を公表するとともに、向精神薬の処方に関する実態調査を、今後も継続 して行う。
- 厚生労働省ホームページ等を通じて、実態調査結果を公表するとともに、医療従事者や一般向けに、以下のような情報提供及び啓発を行う。
(1) 調査結果によると、医療機関で抗不安薬の処方を受けている人のうち、抗不安薬が3種類以上の割合は1.9%、医療機関で睡眠薬の処方を受けている人のうち、睡眠薬が3種類以上の割合は6.1%、であり、抗不安薬または睡眠薬のいずれかを3種類以上処方されている人の割合は少ないこと。
(2) 医療従事者に対しては以下のような情報提供を行う。
- 抗不安薬や睡眠薬の処方に際しては、残薬の有無や他の医療機関からの処方の有無について確認する等、充分に注意を払っていただくこと。
- 抗不安薬や睡眠薬については、薬物依存の可能性等に注意し、同種の薬剤を3種類以上処方する必要性について充分に考慮していただくこと。
- 1回の処方で抗不安薬が3種類以上、または、1回の処方で睡眠薬が3種類以上のいずれかの処方を受けている場合には、主治医に処方の内容について充分な確認をすること、あるいは、かかりつけの薬剤師等に確認すること等について、必要に応じ、検討していただくこと。
- 審査支払機関に対しては、抗不安薬、睡眠薬の処方実態を踏まえた適切な審査がなされるよう、「抗不安薬・睡眠薬の処方実態についての報告」及び、前述の(1)〜(3)について情報提供する。また、向精神薬の処方については、厚生労働省より、以下(※)の通知がなされていることについて、審査支払機関及び医療機関等へ周知徹底を図る。
(※)「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について(抄)」(2010年3月26日保医発0326第2号)
- これまでの研究成果を踏まえ、日本睡眠学会における「睡眠薬の投与に関するガイドライン」の作成を支援する。 なお、諸外国のガイドラインを参考に、我が国の医療状況を加味した、専門家向けのガイドラインについては、2011年度末までを目途にとりまとめられるよう支援する。
- さらに、精神疾患に伴う睡眠障害の方への治療に関して、薬物治療の選択や変更等に関する診療ガイドラインの開発に資する研究を支援する。
向精神薬の処方に関する実態調査結果を踏まえた対応について(厚生労働省)
過量服薬対策等に関する資料の送付について(日本薬剤師会 2011年11月14日)
日本薬剤師会
[Terahata]